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ホルモンの働き



女性ホルモンと甲状腺ホルモン

女性の健康と月経は密接な関係があります。重要な女性ホルモンとして
卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という、
2つの女性ホルモンがあります。これらは卵巣から分泌されるホルモンです。
思春期になると女性ホルモンの分泌量が急速に増え、女性らしい体が
形成されて来ます。40代前後になると、少しずつホルモン調節のバランス
が乱れはじめてきて、卵巣の機能は衰え始めます。

 卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)とは,
月経周期に応じ変動を繰り返します。エストロゲンが一定レベルまで
上昇し、排卵が起こると、卵胞が黄体に変わり、プロゲステロンが卵巣から
分泌されはじめます。子宮内膜に受精卵が着床し、妊娠しても、胎盤が
できあがるまで、卵巣からエストロゲンとプロゲステロンとの分泌が続き、
胎盤が完成すると、胎盤がエストロゲンとプロゲステロンを分泌して妊娠を
継続させます。妊娠しなかった場合は、排卵後約2週間で、エストロゲン
とプロゲステロンの分泌量は低下し、子宮内膜は剥がれて排出されます。
これが月経です。

  主にこの2つの女性ホルモンによって、女性らしい体と健康、そして
妊娠に対応できる環境が調整されています。女性のライフサイクルが、
思春期・成熟期・更年期・老年期と変化するのも、これら女性ホルモン
の分泌量に左右されています。エストロゲンには、コレステロールの
増加を抑える役割もあり、男性と比較して女性が動脈硬化になりにくい
のは、このホルモンのおかげといわれています。エストロゲンには、骨に
カルシウムをたくわえるという重要な役割もあり、閉経後に女性が骨
粗しょう症を起こしやすくなるのは、主にエストロゲンの減少が原因です。

 甲状腺ホルモンは新陳代謝を促進して酸素消費量を増やしたり、
体温を調節したりしています。このホルモン分泌が多すぎるのが甲状腺
機能亢進症で、分泌が少なすぎるのが甲状腺機能低下症です。機能
低下症の症状には、無気力、眠気が頻繁にくる、皮膚が乾燥する、
寒がり、むくみ、便秘、体重増加などがあります。亢進症の症状には、
暑がり、汗かき、動悸、息切れ、手足のふるえなどがあります。
甲状腺異常は女性に多い病気で、女性ホルモンの関与が考えられて
います。月経不順の症状があれば、女性ホルモンと甲状腺ホルモンの
値を測定して、正常であることを確認された方がよいでしょう。

日本産科婦人科学会認定専門医 医学博士 宮本順伯


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 ホルモン異常の検査



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