アフリカ:ナミビア共和国、ルワンダ共和国見聞記
Source: University of Texas Libraries
2007年9月末から2週間弱の日程で、アフリカのナミビア・ルワンダを訪れました。主に現地の
医療事情視察という目的で、日中に仕事をして夜間に移動するという、きついスケジュールで
したが、 その中で見聞したタバコ事情、また両国の一般事情をご報告したします。
(L) Health warning board posted in a supermarket store at Namibia.
(R) A beautiful Jacaranda in full bloom, photographed in 2007.
(左)ナミビアのスーパーマーケットで見たタバコ依存性の警告と未成年者への販売禁止の掲示★
(右)ジャカランダの花★
ナミビアには当然ながら日本からの直行便はありません。成田→香港→ヨハネスブルグ
(南アフリカ)→ウィントフック(ナミビア)という行程です。香港、 ヨハネスブルグでは
空港内に禁煙のサインがいたるところで見られました。 ナミビアはかってドイツの保護領
でしたが、首都ウィントフックは、一見ヨーロッパの小都市かと思うほど綺麗な街です。
ちょうどジャカランダの季節で、至るところで紫の可憐な花を見かけました 。日本の桜に
よく例えられるそうですが、なるほど色が違うだけで雰囲気はそっくりです。ナミビアは
地下資源(ダイヤモンド・石油・ガスなど)が豊富で、 世界最古の砂漠といわれるナビブ
砂漠やエトーシャ国立公園でのサファリに訪れる観光客も多く、アフリカの中ではかなり
お金持ちの国のようです。スーパーの駐車場や道路沿いにタバコの大きな広告看板をよく
見かけましたが、喫煙している人はあまりいませんでした。
タバコの値段は 1箱20N$(約340円)、他の物価から考えると、やはり 1箱,、1,000円以上
する感じでしょうか。この国では、むしろアルコール依存が大きな社会問題となっている
ようです。国はお金持ちだけれど多くの人は仕事もなく、 失業者たちは昼間からバーで
飲んでいます。とにかく、国中バーだらけです。人口密度が低いので、人間の数よりバーの
数の方が多いのではないかと思ってしまうほどです。 この上にニコチン依存症が増えたら、
本当に大変なことです。タバコが広まる前に 、ぜひ、FCTC(WHOタバコ規制枠組み条約)に
従ってタバコ広告の規制が実行されればよいと思いました。
ルワンダには、ナミビアから再度ヨハネスブルグを経て、ケニアのナイロビで乗り継いで行きます。
ケニアの首都、ナイロビでは2007年7月から公共の場所、レストラン、バー、オフイス、劇場、
モールなどでの喫煙が禁止されました。ナイロビ国際空港内にはただ、全面禁煙ではなく、
通路を囲むように喫煙エリアがありました。ナイロビ在住の知人は、ナイロビ市内で屋内で
タバコが吸えるのは、この空港の喫煙エリアのみではないかと話していました。
Source: University of Texas Libraries
ルワンダは、赤道のほぼ直下にありますが高度が高いため、過ごしやすい気候で、緑のあふれる国
でした。ただ、資源バブルに沸くアフリカの中では鉱物資源もなく、特産品といえばコーヒーと
紅茶くらいのようです。しかし、ここで味わったコーヒーはとてもおいしく、日本でもぜひ輸入
してほしいと思いました。
(L) Kigali, the capital of Rwanda. (R) No smoking sign plate in the Rwanda
Airport.
(左)ルワンダ首都、キガリ★
(右)ルワンダ空港禁煙標識★
ルワンダの空港で目についたのは、2006年7月から法律で施設内は禁煙となった旨を知らせる大きな
掲示でした。驚いたことには、全てのビニール製品を入国審査の際に捨てさせられたことです。
ルワンダ国内では環境を考え、 ビニール製品は一切使われていないのだそうです。土曜日の午前中は
「国民奉仕」の時間と定められ、国民全員が主に家の周囲の清掃をボランティアで行なうそうで、
町中ごみがなく 、それはそれは綺麗でした。
市内のホテルは、ルワンダ紛争の実話をもとに制作された、映画「ホテル・ルワンダ」の舞台となった
ホテル・ミル・コリンに泊まりました。ホテルのレストランは、テラス席と喫煙ルーム以外は全席
禁煙でした。エレベータホールには灰皿があったのですが、蓋をされ、その上に「禁煙」サインが
あり、最近禁煙化が進んだことをうかがわせました。
タバコは 1箱500RF(約100円)だそうです。国民一人当たり GDPが日本の25分の1くらいである
ことを考えると、相当高価なものです。実際、滞在中に現地の人が喫煙している姿を見かけることは
ありませんでした。 目にした喫煙者はすべて外国人です。これはルワンダに限らずアフリカを
訪れるたびに感じることですが、アフリカにいる白人の喫煙率は高いようですね。 ルワンダからの
帰路は、ナイロビ→ドバイ→関西空港→羽田と、またまた長い旅でした。
Dubai ( image )ドバイ
途中、飛行機から俯瞰したドバイの街の輝きはすばらしく圧倒されました。それは石油文明の一つの
頂点の輝きでもありました。ドバイ国際空港ビルは巨大で豪華でした。ドバイでは2007年5月から
公共的な場所での喫煙が禁止されましたが、こと空港の喫煙規制は不完全で、ショッピングアーケード
のど真ん中に開放型の喫煙エリアがあり、飛行機の搭乗ゲートの脇にも喫煙室が設置されておりました。
搭乗の際には喫煙室の扉から漏れてくる タバコの有害煙を吸い込む可能性があります。狭い機内で
隣の人が喫煙室から出てきた人だったりすると最悪です。こうしたとき、席を移るわけにもいかず、
十数時間を一緒に過ごさなくてはなりません。いつも「どうか喫煙者でありませんように」と
神に祈っています。幸い今回は喫煙者ではなくほっとしましたが、呼気からも服からもタバコの
有害物質をまき散らす人と隣り合わせになってしまう乗客が必ずいるわけです。
アフリカ:ナミビア共和国、ルワンダ共和国見聞記
★2008年3月 千葉市 田那村雅子先生からの寄稿文および写真提供
田那村先生のご厚意による情報提供。趣旨を変えることなく編集、補足いたしました。
2008年3月「禁煙席ネット」主宰 医学博士 宮本順伯
「禁煙席ネット」へのリンクは自由
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