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Bridal check

ブライダルチェック(bridal check)とは、結婚前に行う婦人科検診のこと。結婚を控えている女性が、
妊娠や分娩に影響する婦人科的な項目をあらかじめチェックする目的で行います。受診される目安は
結婚式の2ヶ月から3ヶ月前ぐらいが良いでしょう。

主な検査項目は、血液検査:貧血の有無、肝機能検査、腎機能検査、感染症(肝炎・風疹抗体価・
エイズ検査・梅毒検査など)、血糖、脂質検査(コレステロール・中性脂肪)などです。
内診して、超音波検査や感染症(クラミジイア・淋菌)、子宮筋腫・卵巣腫瘍の有無、子宮がん検診
を行います。その他に、乳房自己触診指導、尿検査(尿蛋白・尿糖など)も行います。

希望により、検査項目のいくつかを省略することも可能です。


1.問診(メモ書きして持参されると良い)

1.結婚の予定時期 
2.初潮の年齢
3.普段の月経周期 (順調なら何日型か) 
4.最終月経の開始日とその持続日数 
5.妊娠・出産の経験 
6.流産や人工中絶手術の有無 
7.今までかかった病気の名前 
8.現在、治療している病気の有無 
9.現在、使用している薬剤
10.アレルギーの有無 
11.喫煙習慣の有無
12.家族の健康状態 (糖尿病、高血圧、がんなど)


2.内診

内診では膣や子宮の入口(子宮頸管)に異常がないかをチェックします。また内診をしながら、下腹部を押さえ、
子宮および周辺の状況等を診ます。
子宮頸部がんの検査を行います。綿棒をこすって細胞を採取します。

STD(性感染症)の検査を行います。
クラミジアDNA、淋菌DNA検査は子宮頚部を綿棒で擦過採取します。
クラミジアや淋菌によって引き起こされた卵管炎は、不妊症や子宮外妊娠、流産の原因になることがあります。
また分娩中の産道感染で、赤ちゃんの結膜炎や肺炎の原因になることもあります。そのため妊娠前に治療して
おく必要があります。淋病も産道感染で赤ちゃんの結膜炎の原因になることがあるので検査項目に入れて
おります。カンジタの多くは内診でも分かりますが、分娩中の産道感染で赤ちゃんの口の中にカビが移って
(鵞口瘡:がこうそう)になることがあります。妊娠中はカンジタが悪化しやすいので、妊娠前に治療して
おいた方がよいでしょう。


3.超音波診察

膣式超音波検査では、子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣腫瘍の有無、子宮頚がん等をチェックします。また
子宮や膣に奇形(双角子宮、膣中隔等)がないかを診ます。双角子宮等の子宮奇形は不妊や流早産の
原因になることもあります。膣中隔は膣の真ん中に仕切りがあり、膣が二つに分かれている膣の奇形です。
内膜に接している子宮筋腫は過多月経を引き起こし、貧血の原因となることもあります。
子宮内膜症は月経痛や排便痛等、かなりの痛みのある場合が多く、不妊症の原因になることもあります。
卵巣腫瘍は良性の腫瘍であることがほとんどですが、時には悪性のがんであることもあります。


4.血液検査

貧血の検査、感染症の検査をします。白血球の増加やCRP定量検査から感染症がないかを調べます。
STD(性感染症)等の検査を行います。
エイズ(HIV)、梅毒、B型肝炎、C型肝炎は必須項目です。
この他にヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV1)を調べます。エイズや肝炎、ヒトT細胞白血病ウィルスが陽性の
場合は産道感染、母体感染で赤ちゃんに感染する可能性もあります。また母乳があげられない場合も
あります。これらは検査は
風疹抗体価(HI法)と共に、妊娠初期に必ず検査するウィルスです。妊娠初期に
風疹に感染すると、赤ちゃんに先天性風疹症候群が起こる場合があります。抗体を持っていない場合は、
妊娠前に予防接種をすることをおすすめします。
肝臓機能や腎臓機能、血糖、中性脂肪、悪玉コレスレロールなどの検査も行った方が良いと思われます。
月経不順の場合は脳下垂体、甲状腺、卵巣機能などのホルモン検査を行います。
(月経異常がある時に限り健康保険の対象となり、このホルモン検査費用は3割負担となります)


5. その他、血圧、体重測定、乳がんを発見するための自己触診の仕方の指導を行います。
尿検査では、尿に蛋白が出ていないか、糖が出ていないか等の検査をします。
検査結果は必ず、文書にてお渡しします。必須検査項目は
にてお示しました。


注意上記診療情報記録は2018年1月現在のものです
日本産科婦人科学会認定専門医 医学博士 宮本順伯


                

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