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月経周期、妊娠週数の算定
あなたの月経周期は何日型ですか?
月経はホルモンの複雑な相互作用によって定期的に子宮内膜がはがれて
出血する現象です。10代前半から40代後半までの女性は26日から32日くらいの周期で、
このような出血を繰り返します。よく、ご理解できていない人が多いのですが、月経周期が
28日型であるというのは、前の月経の始まった日から、次の月経の始まるまでの日数が
28日であるということです。出血が終わってから、次の出血が始まるまでの日数では
ありません。
妊娠の判定はいつから可能なのか?
月経の不順な方は妊娠したとの自覚が遅く、「太った」と錯覚し、しばしば、お腹が
大きくなって初めて「月経が来ない」と産婦人科クリニックを訪れます。性交渉のある限り、
たとえ月経がよく遅れる方でも、念のために、薬局で売っている妊娠判定キットを使い、
自分でテストしてみるのがよいでしょう。
最近は精度の高い検査キットが販売されているので、妊娠の判定が早くから可能になりました。
性交渉のあった日から計算して、早ければ11日目から妊娠陽性となります。まれに妊娠でないのに、
「妊娠」との判定結果が出ることがあり、注意が必要です。また、水分をたくさん飲んで尿が
薄まっていたり、胎盤からのホルモンの分泌量には個人差がありますので、2週間たたないと
判定できないこともあります。
超音波による妊娠の確認
妊娠したかどうかは尿の検査でも分かりますが、それが正常な妊娠かどうかは
分かりません。産婦人科では、予定月経を2週間程度越えた時点で、超音波診断装置の
筒状部(プローベ)を膣内部に挿入し、直接子宮や、その近辺に超音波を照射し、その
妊娠が子宮内であり、正常な位置にあるか、どうかを判定します。また胎児のサイズや
胎児の浮かんでいる袋の大きさから妊娠週数を推定いたします。ただし、妊娠前半の
時期は1週間程度(最大限2週間)の誤差 (=実際に得られた値が、本来の値から
どれだけずれているかを表す量) の見られることがあります。従って超音波の画像から
正確に何月何日に妊娠したのかは分かりません。当院では最終月経情報を参考にしますが、
原則として超音波画像に表示された妊娠週数を基準としてお話しております。
これは世界共通のことですが、告げられた妊娠週数の計算は、受胎した日からの日数に
2週間を足したものと、ほぼ一致いたします。つまり、3週間前に性交渉があり、
妊娠した場合、その週数診断は[5週]となります。ただ、胎児の発育程度も関与しており、
絶対的なものではありません。
注意上記診療情報記録は2018年1月現在のものです
日本産科婦人科学会認定専門医 医学博士 宮本順伯
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