2007年5月、大島明・大阪府立成人病センターがん相談支援センター所長らの厚生労働省研究班が、
日本のタバコ対策を欧州の評価基準で採点した結果を発表した。その結論は欧州30か国の最下位レベルであった。
英科学誌「タバココントロール」に昨年掲載された評価項目に準じ、タバコの価格、禁煙対策などを
計100点満点で採点した。日本は価格8点(満点30点)、職場・公共の場所の禁煙3点(同22点)、
政府予算0点(同15点)、広告や販売促進の禁止5点(同13点)、箱の警告表示4点(同10点)、
禁煙治療1点(同10点)の計21点であり、最下位のルクセンブルク(26点)にも及ばなかった。
2006年4月に始まった禁煙治療保険適用などで、評価は27点にアップしたものの、最低レベルにある
ことには変わりない。上位はパブを禁煙にしたアイルランド(74点)と英国(73点)である。
引用:2007年6月1日 読売新聞
WHOからの勧告にも拘わらず日本政府にタバコ規制を行う気配は全くない。タバコ中毒社会に
どっぷり浸かっている状況だ。柳沢厚生労働大臣の姿勢からは禁煙社会(Tobacco Free Society)の実現は
100%不可能だ。日本政府はJTの支配下にあるのではないかの危惧さえある。今、全世界の航空機が
全面禁煙規制下にあるが、皇族や首相、VIPだしか利用出来ない日本政府専用機の会議室で喫煙できるのを、
あなたは知っていますか。
2007年6月〜7月、 タイ・バンコクで開かれたWHO(世界保健機関)FTCF( Framework Convention
on Tobacco Control )=たばこ枠組条約の第2回国際会議が開催され、日本政府からは、外務省、
厚生労働省、財務省から計10人が出席したが、世界の多くの国の代表が「タバコ規制を本格的に進めたい」
との提言に対し、外務省(大熊雅昭外務事務官)、財務省(浦川専門官)らは条約の骨子に反対する
発言を行い、改めて日本の官僚の「健康よりも財政を」との考え方が露呈した。
しかし、日本の否定的な姿勢は他の締約国から相手にされることもなく、「受動喫煙からの保護」について、
ほぼ原案通りに採択された。地球規模で本格的なタバコ規制推進への道が開かれたのだ。
いま、日本ではレストラン、バー(居酒屋)を含む公共的屋内空間の全面禁煙化が急がれる。政権交代が
唯一の道のように思われるが、民主党政権で本当に世の中は変わるのであろうか。
政府主導の国民に対する受動喫煙意識の啓発が今、最優先課題と考えられる。法的規制で喫煙できる場所を
極端に少なくすることが禁煙へのきっかけを提供し、国民全体の健康向上に役立てることが出来ると
筆者は常に考えている。
日本の受動喫煙対策は世界最低レベル
厚生労働省白書 2016
世界の49カ国では、学校、飲食店、公共交 通機関などの公共の場で「屋内全面禁煙」とする法規制を実行
タバコ規制・日本はEU基準で最下位
「禁煙席ネット」主宰 日本タバコフリー学会顧問 医学博士 宮本順伯
★This Web site is link-free.
The article was written in June 2007, by Junhaku Miyamoto, M.D., PhD.
|