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なぜ職業を聞くのですか？
「婦人科の診察を受けるのになぜ職業を聞くのですか」と訝る方がおられます。その理由は
職業を含め、診察をお受けになる方の個人的な環境、社会的環境を把握することにより、
検査項目の選定、来院時間の決定、手術日の選定、手術後の指導、病気の場合はその誘因究明、
労働環境の把握、治療方法の選択決定など、きめ細やかに対応することができます。
医療関係者には、その保有しているであろう専門知識に相応した話し方も出来ます。
また、それぞれの専門職を知ることにより、その職業に沿った説明や、医療に関連した興味を
引き出すきっかけともなります。
乳がんは職業に密接に関与しており、子宮がんも、タバコの漂う環境で生活してきたこと
など、関与する場合があります。そのほか、多くの病気がタバコの先から放散される副流煙
とも重大な関係があり、そうした飲食店や職場で働かれている方には、その有害性を回避する
手段についてアドバイスすることも出来ます。日本でも「かかりつけ医師」をもっことが
勧められておりますが、欧米ではその医師と長く付き合いますので、やはり話の相手の方が、
どういった仕事をされているかが非常に大切な要素となって参ります。
優れた医師は人の体のごく一部分のみを見るのではなく、受診される人の全体像を見て
会話し、治療方針を決定し、検査し、治療するのです。医師には弁護士と同じく守秘義務が
あり、むろん、お話しいただいた個人情報が他に流出することは絶対にありません。
また当院は電子カルテを使用しておりませんので、ハッカーなどによって情報が外部に
漏えいする事は全くありません。
注意上記診療情報記録は2018年1月現在のものです
日本産科婦人科学会認定専門医 医学博士 宮本順伯
上手な医師との付き合い方
