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タバコの煙は病と死の煙


 タイ国で販売されているタバコ 提供 日本禁煙推学会 大橋勝英先生

タバコの先から流れる煙(副流煙)は、喫煙者の吸う煙よりも発癌(がん)物質など有害成分が
濃厚に含まれているため、同じ空間にいるタバコを吸っていない人(非喫煙者)の受ける健康
被害の方が、喫煙者自身の受ける健康障害よりも遙かに大きいのです。しかし、国内では
その事実を知る人は少なく、そうしたタバコ無知が、飲食店や多くの人の集まる場所での
喫煙禁止を、なかなか実現出来ない背景となっています。

カナダ、米国、オーストラリア、ニュージランド、ノルウェー、アイルランド、英国、イタリア
などで実施されているレストラン受動喫煙防止条例は、顧客の健康を守ると共に、飲食店の従業員が
タバコ副流煙の毒を吸わされて病気にならないように制定されているのです。2004年から、
ヒマラヤ山麓の国、ブータンは、国民の健康を守るため、タバコの販売を一切禁止し、国をあげて
全面禁煙にすることを決定しました。2005年から実施されたイタリアの受動喫煙防止条例により
鉄道、銀行、市役所などの公共施設、およびレストランなどの飲食店が全面禁煙となりました。
注目すべきことは、高額罰金制度を導入し、喫煙行為を取り締まるために「カラビニエリ・デッラ・
サルーテ」なる警察を立ち上げて違法な喫煙行為の取り締まりを強化したことです。

一方、日本ではタバコの有害性が無視され、タバコは個人の「趣味嗜好」と考えられており、
飲食店ではタバコの先から流れる有害煙によって働いている店員の健康が損なわれることも
知らずに、喫煙者を大切な客と考えており、世界のタバコ規制の流れに取り残されている、
受動喫煙認知度の極端に低い特異な国です。



喫煙による疾病、死亡(日本医師会資料)
喫煙行為の悲惨な結末


 
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