妊娠しやすい時期、しにくい時期
妊娠を希望されている場合でも、避けたい場合でも、排卵がいつ起こるのか、その知識はきわめて
重要です。しかし、多くの人は過ぎ去った月経の日から排卵日を計算しています。これは正しいとは
言えず、排卵は,次に来る月経の日から14日前に起こると考えた方がよいでしょう。このことは、
妊娠しやすい時期も、しにくい時期も、いつ、次の月経がくる分からない人では予測しにくいといえます。
受胎防止のための緊急投薬
妊娠しては困る方は、ピルを服用していれば一番いいのです。しかし、服用してはいけない体質や
病気を持っている人、服用をためらっておられる方, ごくたまにしか性関係がないのでピルを飲むこと
までは考えていない、そういう人が排卵と思われる時期に性交渉があり、コンドームが破れたり、
つけていなかったりすると、不安な夜を過ごすことになります。
このような場合は、性交渉のあった時から72時間以内に、ご来院ください。卵子の子宮内への着床を
防止する作用を持つ薬があります。これは性ステロイド剤で、服用後に時たま、胃のもたれ、微量出血
を起こすことがありますが、将来の妊娠に影響するなどの副作用は全くありません。
University Hospital, London Health Centre, Ontario, Canada
特記事項
当クリニック院長は、1972年から1973年にかけて、緊急避妊法を生み出した、カナダ・オンタリオ州の
大学病院で診療を行い、この薬剤に関して研究を行っております。日本産科婦人科学会で始めてこの
薬剤を詳細に紹介したのは当院院長です。その後も数年間研究を重ね、当院では院長考案の特別処方を
採用しています。院長の薬剤服用指示に従い、妊娠を阻止できる割合は月経周期のいつ投与したかに
関係なく、実績 99.5%以上であり、高い確率で成功しています。
An information panel of the history of University Hospital, London Health
Centre, Ontario, Canada
撮影、2010年10月
注意:導入初期の投与法は日本ではヤッペ法として紹介されていますが、研究者の名前(表記)は
100%間違いです。ネット上には、こうした多くの誤った情報も多く、注意が必要です。緊急避妊に
関しては、カナダの現地で正しく研究を行ったもののみが正確な医療情報を把握しています。現在、
当院で実施している緊急避妊法は、他のクリニックで使用されている開発当初の投与法
(1日2回、12時間おきに服用)とは異なり、大幅に改良されたものです。なお、多くのクリニックで
実施されている上記の投与法による失敗例も多く、日本で公式に認められた統計はありません。
・・この安価で、しかも卓越した院長独自の処方は特許の対象とはならず、日本を含め、世界に
普及できなかったことは無念でなりません。
2011年5月から日本で新しく発売されている「ノルレボ錠」は、72時間以内に2錠投与しますが、薬を
飲まなくとも妊娠しなかったケースを除いた調整後の妊娠回避率は84%★であり、当院院長の
緊急避妊法より効果が遙かに低く、しかも薬剤費は10,000円以上と高額です。
★公表されているデータ
膣内洗浄するクリニックがあるようですが、医学的に見て全く無意味な処置です。
緊急的にIUDを挿入し子宮内膜をかく乱する方法もありますが, 高額でもあり, 挿入時に多少の痛みを伴う
ことがあるので、あまりお勧めは出来ません。
解説:避妊法の比較
低用量ピルの解説
注意 上記診療情報記録は2018年1月現在のものです
日本産科婦人科学会認定専門医 医学博士 宮本順伯
緊急避妊投薬は終了
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