顧客の健康を無視する多数の飲食店




 誰でも利用する飲食店での環境は、健康にとって極めて大切な問題です。2003年5月以降、
健康増進法施行に伴い、すべての飲食店は受動喫煙防止のための対策を講ずることが義務となり
ました。しかし、罰則規定がないため、ほとんどの店はこの法律を無視、規制は形骸化しています。

今の日本で、非喫煙者がタバコ副流煙の有毒成分から自分の身を守るためには、副流煙対策を怠っている
店を利用しないとする「拒否の姿勢」を示すことしか選択肢はありません。


米国のカルフォルニア州のように、レストラン全席での強制禁煙が本来あるべき姿です。太平洋の楽園、
ハワイ・オワフ島、ホノルル市議会は2002年2月、禁煙条例を可決し、2002年7月からすべての
レストランでの喫煙が全面的に禁止され、その1年後にはバーでも全面禁煙となりました。
2006年11月、ハワイ州は「Smoke-Free State 」を宣言し、喫煙規制をさらに強化しました。

 日本のほとんどの飲食店では喫煙可否の表示がありません。通常、こうした店では喫煙を
禁止していないので、店に入るときに喫煙者がいなくとも、常にタバコ副流煙の毒にさらされる危険性
があるのです。たとえ、「禁煙席」と表示されていても、多くはタバコの煙の流れ込む席です。つまり、
「禁煙席」イコール「タバコ副流煙の喫煙席」となっています。喫煙席と同じ空間にある禁煙席は全く
意味がありません!こうした状況で「禁煙席」の名前を付けることは、
店内の商品を偽っている商品
表示違反
とも解釈出来ます。


同じ部屋を衝立で区切っても吸っている空気は同じ。禁煙席、喫煙席の表示は
「タバコを吸わない人の座る席」「タバコを吸う人の座る席」を指定しただけで、全く無意味。
タバコの有害煙を吸うリスクは禁煙席、喫煙席共にきわめて高い。
客の無知に便乗した商品偽装表示。


飲食店内での携帯電話の使用を禁止しているところが多い反面、目に見えないタバコの微細な粒子の
強い毒性について全く無関心です。

99%近い日本人は、喫煙者の吸う主流煙と比べ、同じ部屋にいるタバコを吸っていない人たちが
吸わされる副流煙の方が遙かに発癌(がん)性が高い
ことを認識せず、完全に無視しています。
なぜ、健康増進法には受動喫煙防止条項があるのか、なぜ、多くのタバコ規制先進国で閉鎖空間内での
喫煙を法律で全面的に禁止しているが、その理由、目的には関心がなく、こうした受動喫煙防止を
意図した法律があることさえも知らない人が多いのです。


 日本は喫煙規制対象順位が逆
 タバコ規制・・日本はEU算定方式で最下位 
 タバコ副流煙は病と死の煙



顧客の健康を無視する多数の飲食店
 2004年4月執筆 2007年4月加筆 2007年6月加筆 医学博士 宮本順伯
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