JR東日本は2007年春から、在来線の特急車内、東北、上越、山形、秋田の各新幹線を
全面的に禁煙にして運行している。
しかし、2008年11月にテレビ東京で放映された旅行記で、大湊線新型快速列車、きらきら
みちのくの「喫煙コーナー」が写し出されていたが、現在も「喫煙コーナー」を設備した
車両が走行している。この件につきJRに当合わせたところ、次のような返答があった。
「弊社では、2007年3月18日より、新幹線及び弊社管内を相互発着する在来線特急列車を
全面禁煙とさせていただきましたが、寝台列車など一部の列車については、個室化が
進んでいることや旅行形態が異なることから全面禁煙にならないこととさせていただいて
おります。JR東日本の「きらきらみちのく」「リゾートしらかみ」につきましても、現在
車内に喫煙ルームを設置しておりますが、前述のような考えから現時点では喫煙ルームは
引き続きご利用いただけることとさせていただきます。」
これでは列車の全面禁煙化を約束したJR東日本は、健康無視のJR西日本やJR東海と全
く同じである。
JR東日本 首都圏の駅ホームを全面禁煙へ
引用 2008.12.11NHK放送画面
JR東日本は喫煙所をホームの隅に設置し分煙化を推し進めて来たが、乗客からの苦情が多く、
分煙では受動喫煙を防止できないとして、2009年4月から首都圏の約200駅のホームを全面禁煙とし、
ホーム端に設置していた灰皿付き喫煙所を撤去した。ただし、遠距離列車の発着する東京や
新宿など4駅にある排煙設備を備えた喫煙ルームは今後も存続させる。
(L) NHK briadcasting on Dec 11, 2008 (R) No-smoking sign board at Tokyo
Central Station (JR-East )
新たに全面禁煙とするのは東京駅からおおむね30〜50キロ以内の各駅で、山手線と京浜東北線の
全駅のほか常磐線の取手駅、京葉線の蘇我駅、横須賀線の逗子駅、中央線の高尾駅までが含まれる。
JR東日本ではエリア外にある約800駅のホームでは2009年4月以降も喫煙所を設置し続ける予定だが、
広報担当者は今後の社会動向を見極めて判断したいと述べている。
Smoke-free JR-East (Photographed in April 2009)
山手線や中央線、京浜東北線など首都圏のJRなど、都心とその周辺を結ぶ17路線、201駅のホームが
全面禁煙となった。「喫煙所から流れてくるので全面禁煙には賛成です」など、この規制に賛成する声が
多いが、「せめて1ヵ所くらい残して欲しかった」という喫煙者もいる。
NHK broadcasting on April 1, 2009 (L) Announcement of total smoking ban
in JR-East (R) No more smoking space.
NHK broadcasting on April 1, 2009
(L) This woman said the new policy of JR-East is very welcomed, because
we do not need to breathe
in tobacco smoke. (R) This man said it is a very good thing, it provides
good chance for me to stop smoking.
首都圏の一定エリアにおける全面禁煙の実施について・JR東日本
http://www.jreast.co.jp/press/2008/20081211.pdf
首都圏の私鉄各社の全面禁煙の方針に追従した形となったが、世界の喫煙規制の流れに沿った健康的な
JR東日本の方針を高く評価したい。一方、1年後には神奈川県で新たに喫煙空間への投資を呼びかけた
「神奈川県受動喫煙防止条例」がスタートする。その意味でも2010年は、タバコ規制枠組み条約の
国際的約束を守り、「分煙」を撤廃して健康を守る鉄道の姿と、世界の[全面禁煙」の動向を全く無視し、
「分煙」を新たな目標に掲げて正に時代を逆行させる県条例をスタートさせる神奈川県体制とが、
健康社会形成への道程で大きく明暗を分ける年になるだろう。
2009年4月 執筆 医学博士 宮本順伯
JR東日本は、2009年4月からの首都圏ホームでの全面禁煙の範囲をさらに拡大し、首都圏の144駅を
全面禁煙化する。東京駅からおおよそ70キロ圏内の駅から灰皿が撤去される。なお、東京駅東北、
上越新幹線駅ホームの閉鎖型喫煙所はそのまま残す。
引用:2009年8月29日 朝日新聞
2009年8月 執筆 医学博士 宮本順伯
Smoke-free Platforms in JR-East
Starting April 2009, most metropolitan East Japan Railway Co. train stations
will go to completely
smoke free, and platform ashtrays are being removed from 201 JR East stations
on 17 lines,
including Yamanote, Chuo, Sohbu and Keihin Tohoku lines. The smoke-free
zone covers the area of a radius of 40 to 50 kilometers. In October 2009,
JR-East expanded a smoking ban to a platform
of 378 stations, with an area of radius of 70 kilometers of Central Tokyo.
The new regulation exempted closed smoking booths in Tohoku and Jyoetsu
Shinkansen platforms of Tokyo Terminal Station.
A smoking booth on the JR-East Shinkansen platform of Tokyo Central Station.
We received many complaints from nonsmokers who were very concerned about
passive smoking," a JR-East spokesman said.
Dr. Manabu Sakuta, chairman of the Japan Society for Tobacco Control, said
dividing smoking and
nonsmoking areas is not enough to prevent exposure to passive smoking.
If one person smokes,
the secondhand-smoke can reach a radius of 7 meters," he said. "This
means separate smoking areas are not effective in preventing passive smoking."
Source: Japan Times, April 1, 2009
JR九州が全面禁煙へ
JR九州は2009年3月より喫煙車両および喫煙コーナーを全廃し特急列車を全席禁煙にすると発表した。
JR九州によると、これまでは運転時間が比較的長い「にちりん」「ゆふ」「九州横断特急」などで喫煙車
や喫煙ルームを設置していたが、乗客から全面禁煙を求める声が相次いだために決断した。すでに
「かもめ」や「みどり」「ソニック」などは既に全車両が禁煙であり、特急「つばめ」も2004年に
開業した時から全車両禁煙で運行している。
JR九州の正しい判断を支持し、歓迎する。しかし、この判断もJR西日本への乗り入れに伴い新幹線喫煙
ブースを認め、世界の鉄道全面禁煙化に逆行することとなった。JR九州側の喫煙スペースに対する考え方
に甘さがあったようだ。非常に残念なことである。
2006年JRの禁煙車両・喫煙車両に対する方針
2008年11月 執筆 2011年3月加筆 医学博士 宮本順伯
●JR禁煙車両の分析結果およびコメント
●2002年禁煙・喫煙車両に関するJRのアンケート回答
●2003年現在のJRに於ける禁煙車構成と禁煙化達成率
●2005年禁煙・喫煙車両に関するJRの方針
●2006年禁煙・喫煙車両に関するJRの方針
●2007年禁煙・喫煙車両に関するJR・私鉄の方針
●東京駅新幹線ホームに見るJR2社の受動喫煙対応
●JR東海・JR西日本 N700系新幹線喫煙室
JR Tokai 2024