人口減と危機に瀕する鉄道経営



人口減少と新型コロナウイルスの感染拡大が全国の鉄道会社の収益を圧迫している。なかでもJR北海道は運営する23区間
すべてが不採算で、全区間を合計した2019年度の鉄道部門の営業赤字は550億円を超える。鉄道からバスへの転換などで
採算改善を急ぐ同社の姿は、各地の鉄道各社が直面する「人口減ニッポン」の近未来の姿を暗示している。

東京の鉄道関係者が注目: 埼玉県などに乗り入れる大手私鉄の幹部は、こんな本音を明かす。「当社も郊外に不採算
路線を抱えている。JR北海道が廃線を含めて今後どんな対応をするか、注目せざるを得ない」。東京にいる多くの鉄道
関係者が、遠く離れたJR北海道に目を凝らしている。JR北海道は3月末時点で路線の長さにあたる「営業キロ」が2448
キロメートルに及ぶ。これは近畿日本鉄道や東武鉄道、名古屋鉄道といった日本を代表する私鉄11社の路線網の合計と
ほぼ同じだ。それだけ長大な路線が赤字に陥っている。同社は20年3月期の区間別収支が総額551億円の営業赤字だった。
公表を始めた15年3月期から赤字が続き、551億円は過去最大を更新する厳しい結果となった。JR北海道の先行きは悩みが
尽きない。区間別収支を公表する直前の6月5日、東京と札幌をオンラインで結んで開いた経営改善委員会では、JR北海道
の経営陣から「長期借り入れで510億円を調達したい」との発言が出た。これに対し企業経営者や学識経験者などで構成
する委員からは「返済計画が見えない」などと反対意見が相次ぎ、委員会は紛糾した。

JR北海道の島田修社長は記者会見で、当座貸し越しの極度額を200億円増やして650億円としたことを挙げ、資金繰りへの
不安はないと強調した。一方で「どうやって返していくかは課題」と本音も漏らした。赤字路線を放置してきたわけでは
ない。国鉄分割民営化後の1988年には3192.8キロあった路線は徐々に縮小し、2016年には2568.7キロと約600キロ
を廃止した。その上で全体のほぼ半分にあたる1237.2キロ(13区間)について「単独では維持困難」と宣言し、
バスへの転換や鉄路維持に必要な地元の支援を求めた。そして実際に北海道医療大学(当別町)―新十津川(新十津川町)
や夕張(夕張市)-新夕張などで鉄路を廃止し、バス路線に転換した。



路線の運営が厳しい状況は他のJR各社も同様だ。JR四国の西牧世博社長は就任前の5月に開いた記者会見で「閑散線区を
どうするかの議論を時間を置かずに始めざるを得ない」と語り、不採算路線の廃止などに含みを持たせた。JR九州の
青柳俊彦社長も5月に初めて一部区間の採算を公表する際「どうすれば鉄道網を維持できるのか、沿線自治体にも知恵を
出してもらいたい。(公表した線区別収支は)そのための基本資料と捉えてほしい」と語った。地元への協力を求める
姿勢を示した格好だ。実際にJR九州は北九州市と大分県を結び、豪雨被害で寸断された日田彦山線の一部区間にBRT
(バス高速輸送システム)を導入することで合意した。JR北海道やJR九州、JR四国は「3島会社」と呼ばれるが、バス
転換問題はこの3社に限った話ではない。

JR西日本は18年に広島県三次市と島根県江津市を結んでいた三江線を廃止しバス転換した。廃線区間は108.1キロに
及び本州では最長になった。JR九州が導入を目指すBRTは、東日本大震災の大津波で損傷した東北の一部路線の復旧
にも使われている。しかし鉄路をなくす決断を地元の自治体や企業などに納得してもらうことは容易ではなかった。
宮城県内のあるホテル経営者は「鉄路とバスでは運べる人数や利便性が大きく異なる。本音でいえば、鉄路で復旧して
欲しかった」と振り返る。

■住民の足を維持: しかし津波の被害を受けた地域は人口が大幅に減少し、鉄路で復旧しても採算が合う可能性は限り
なく低かった。地元では複雑な思いも残るBRTだが、コストを抑えながら運行を継続できるこの方式で折り合えたこと
が住民の足の維持につながった。全国の過疎地の参考事例になり得る。人口減が続く日本で、鉄道を維持するための
処方箋は何なのか。JR東日本で車両開発などを担当した元幹部は「鉄道インフラを管理する事業者と列車の運行を
担う事業者を別々にする上下分離方式が有効だ」と指摘する。北海道や東北などの豪雪地帯では冬期の保線コスト
負担が重い。そんな過疎でも「上下分離」してインフラ管理を自治体などが担当すれば鉄道会社は運行に専念し、
事業を維持できるという。北海道ではJR北海道と北海道や道内自治体が5割ずつ出資する北海道高速鉄道開発が複数
路線で、列車の高速化に関する設備を保有している。東北でも豪雨被害で不通になった福島県の只見線の一部区間で、
福島県が土地や鉄道施設を維持管理し、JR東日本は列車の運行を担う体制を導入する予定だ。のほか新技術を駆使し
て鉄道インフラの管理コストを抑える動きも出てきた。JR北海道が開発した線路も道路も走れるDMV
(デュアル・モード・ビークル)だ。一部区間の線路がなくなって道路に変わっても路線を維持できる。徳島県の
第三セクターである阿佐海岸鉄道(海陽町)が20年度中に同車両の導入を目指しており、将来はBRTと並んで鉄道の
代替手段になれる潜在力を秘める。■「上手に縮む」試行錯誤: いまは北海道などの地域で表面化している鉄道各社の
営業赤字だが、総人口が増えない日本では首都圏や関西圏などでも沿線人口の大きな伸びは期待できない。JR北海道
などが上下分離や新たな交通手段の導入といった様々な工夫で自社の関与を減らして「上手に縮む」ことを目指す
試行錯誤から、全国の大手鉄道各社が学べることは多い。
引用:日経産業新聞、日経新聞WEB 2020.7.07



 JR北海道は6年連続で全区間赤字、赤字は過去最大



JR北海道が6月に発表した2020年3月期の区間別収支は、23区間全てで営業赤字だった。区間別収支の公表を始めてから
6年連続の全区間赤字。新型コロナウイルスの感染拡大で2月以降は都市部でも乗降客が激減しており、営業赤字の
総額は551億円と過去最大にふくらんだ。前期の売上高にあたる営業収益は774億円と、前の期を8億5100万円
下回った。新型コロナ関連は前期の営業収益を42億円押し下げた。営業赤字の総額(551億円)は前の期に比べ
2億1200万円悪化した。

区間別で採算が最も悪化したのは石勝・根室線(南千歳―帯広)だった。営業赤字は39億円と、運輸収入の減少に加え、
トンネルや線路の修繕費がかさんだ。北海道新幹線の運輸収入は目標に5億円届かず、1日あたりの利用人数も4500人
と200人足りなかった。訪日外国人向けの周遊券「北海道レールパス」発売額も4億5千万円少ない17億1千万円止まり
だった。ホテル事業は81億円と目標に5億円未達で、不動産事業も目標を1億円割り込む262億円と横ばい圏、北海道
新幹線、新千歳空港アクセス、インバウンドといった6項目については新型コロナを理由に数値設定を先送りした。
引用:日経産業新聞、日経新聞WEB 2020.6.09



コロナ影響でJR3社の最終赤字1兆円超 西日本は過去最大の2332億円




JR3社の2021年3月期の連結決算が30日出そろった。3社合計の最終赤字は合計で1兆126億円となった。新型コロナ
ウイルスの感染拡大による移動自粛の影響で、R東日本JR東海は1987年の民営化以降初めての最終赤字となった。
赤字額はJR東日本が5779億円と最も大きくJR西日本は2332億円、JR東海が2015億円で、3社とも過去最大の赤字幅と
なった。各社の売上高も前の期比4〜6割減と大きく落ち込んだ。2022年3月期はワクチン接種が進み鉄道利用もある
程度回復する前提で、3社とも最終黒字化を計画する。ただ3度目となる緊急事態宣言でゴールデンウイークの利用も
低迷するなど先行きは不透明だ。
引用:日経新聞WEB 2021.4.30

● 首都圏私鉄各社の決算 コロナ影響で相次ぎ最終赤字に



首都圏の大手私鉄では、2021年3月に5社が昨年度のグループ全体の決算を発表した。それによりますと、最終的
な損益は、小田急電鉄が398億円、京成電鉄が302億円、京王電鉄が275億円と、いずれも過去最大の赤字と
なったほか、東武鉄道が249億円、相鉄ホールディングスが130億円と、5社すべてが赤字となった。新型
コロナウイルスの影響で、鉄道の利用者が大幅に減少し、グループで運営するホテルやデパートの売り上げも
落ち込んだことが主な要因だ。
引用:NHKWEB 2021.4.30

Smoking ban in the JR-Hokkaido Railway
JR-East Railway
JR-Tokai Railway
An anti-smoking measurer of the JR-Tokai and JR-West is really putting the clock back!
The Japanese Government does not prohibit smoking in a train vehicle.

The smoking room in the train infringes the health of the passengers.

Kinki-Nippon Railway company still operates smoking vehicles.
The railway company leading a passenger to health damage 2024年3月廃止
Three major Japanese railway companies think that the smoking car and/or smoking booth
in a train are the superb service to train passengers.
東海道・山陽新幹線列車・近鉄特急喫煙ルーム
2024年3月廃止
The smoking room in the train adversely affects the health of the passengers.
JR Railways

人口減と危機に瀕する鉄道経営
2006年10月執筆 2009年9月加筆 2012年12月加筆 2020年6月加筆 2020年7月再編集 2021年4月加筆 

執筆 医学博士 宮本順伯
The article was written in October 2006, and last revised in February 2024,
by Junhaku Miyamoto, M.D., PhD.
Copyright(C) 2006 Junhaku Miyamoto, All rights reserved.

       

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