●日本は世界の異端者 先進工業国の中で、日本はタバコの購買基盤を整備して若年喫煙者を増加させて来ており、 その政治姿勢は他国の喫煙者減少施策とは正反対であり、世界の潮流に逆行している 特異な国です。こうしたタバコ無策が続けば、かって中国・清朝が阿片で滅ぼされたように、 日本人はタバコで滅ぼされてしまします。これは現実に起こりうることで、2001年5月30日、 WHO(世界保健機関)は日本等で見られる女性の喫煙率の上昇を懸念すると共に、将来は たばこを吸い始めた若い女性の医療費は爆発的に増えるであろうし、日本が将来も長寿 大国であるという保証はないと警告しています。 世界的には喫煙人口は減少を続けています。欧米豪州などの先進国やタイ、シンガポール などの国でタバコ広告を規制し、タバコの有害性を周知させ始めた結果です。しかし、日本 ではなお、3,300万人以上の人が喫煙者です。年齢別の喫煙率をみると、ガンがよく見つかる 年齢層で、多少の減少が認められます。ここで、タバコの有害性に気づたことは良いこと ですが、その年齢層での禁煙はもう遅すぎます ! 一方、1995年以降、20代の若者の喫煙習慣者、特に女性の喫煙者は増加を続けているのです。 最近の統計では、20代男性では人口の63%、20代女性では人口の22%の方が、毎日 タバコを吸つているのです。最近ようやく頭打ちの兆候が見えて来ましたが、日本の男性の 喫煙率は非常に高く、開発途上国を含めたランキングでも、世界トップクラスで、先進工業国 中でも一位です。 2002年10月、WHOは各国のたばこ消費の中で、日本のタバコ輸入量は、世界最大の年間 約835億本に達したことを発表、男性の喫煙率は52.8%と、先進7カ国(G7)の中でも群を 抜いて高いことを示しました。一方、女性の喫煙率は13.4%と、全く信じられないような低い 数字を挙げていますが、この数字は日本での実態を全く反映していません。実際は、20代、 30代前半の女性の喫煙率はなお少しずつ増えており、若年層では、今や男性と並んで 世界一と考えられます。現在の都市部に於ける若い女性の喫煙率は40%と推定されます が、芸術、情報関連の大学に在籍する女子学生の喫煙率は70%にも達するとの報告も あります。日本でいかに喫煙の有害性が理解されていないか、もしも日本人が公害に 敏感な国民だとすれば、理解することの出来ない矛盾した現象です。 地球上で、日本ほどタバコの価格が安く(北欧、オーストラリアの半値以下、ニュヨークの3分 の1)、手軽にタバコの入手できる国はないといわれています。街にはタバコ自動販売機が あふれ、コンビニでも24時間、タバコの購入が出来る。ファミリーレストラン入口やビルの レストラン街にはタバコ自販機が置かれ、街を歩いて1〜2分おきにタバコの自販機を見る 都市は世界になく、その異常性を認識していないとすれば、誠に恐ろしいことです。 中国当局は2005年8月、世界保健機関(WHO)が主導する「たばこ規制枠組み条約」を 批准しましたが、これに伴い、中国本土と香港、マカオでは、タバコ自動販売機を全面的 に禁止します。かって麻薬の蔓延の結果、中国清朝が滅ぼされた事実と考え合わせると、 今の中国当局の先進性には目を見張るものがあります。市中の目抜き通りに大きな タバコ広告を掲げ、至る所に自販機を氾濫させている、今のタバコ中毒者社会は、世界の 良識ある人々から軽蔑のまなざしで見られているのです。 世界各国政府は法律の強制力で、積極的にタバコ規制を実行しています。2004年12月から、 ヒマラヤ山麓の国、ブータンは、国民の健康を守るため、タバコの販売を一切禁止し、国を あげて全面禁煙にすることを決定しました。2005年1月から実施されたイタリアの禁煙条例に より鉄道、銀行、市役所などの公共施設、およびレストランなどの飲食店が全面禁煙となり ました。注目すべきことは、高額罰金制度を導入し、喫煙行為を取り締まるために「カラビニエリ・ デッラ・サルーテ」なる警察を立ち上げたことです。違法な喫煙行為を取り締まることが目的で、 市中を巡回し、レストランでタバコを吸う人を発見したときは、最高275ユーロ(2005年6月現在 1ユーロ、131円)の罰金を徴収し、周囲に子どもや妊婦がいた場合は、罰金額は倍額されます。 店主側への罰金は更に高額で、最高、2,200ユーロにも達しています。 しかし、日本政府および地方自治体と政治を動かす多くの議員たちはタバコ中毒にかかって おり、「タバコは個人の趣味嗜好品」と考え、タバコ副流煙の有害性を無視しているか、軽視し ているのが現状で、あまりにも世界の動きと乖離しております。もっと悪いいことは、そうした 実態を全く自覚していないことです。 日本は世界の異端者 タバコ副流煙を有害と認識していない社会 「受動喫煙問題」軽視の姿勢から転換する医師 タバコ病医療費はタバコ収益の数倍 タバコ中毒者が要職の席に座ることの出来る国」日本 タバコが人を変える タバコ会社はタバコ痴呆の民衆を好む 副題:世界の喫煙規制を検証する 著作 「禁煙席ネット」主宰 日本タバコフリー学会顧問 医学博士 宮本順伯 完売 日本は世界の異端者 執筆 2005年6月「禁煙席ネット」 主宰、医学博士 宮本順伯
タバコ副流煙を有害と認識していない社会
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