タバコ中毒者育成国・日本
PART3




  「 タバコ中毒者」を大量生産している広告

タバコはPRしてはならない商品であるとの認識から、CMの放映は世界105カ国で禁止され、世界
48カ国で法律でタバコの活字広告を禁止しています。

イタリアでは既に1962年、印刷媒体、看板、販売促進活動の禁止、タバコ自動販売機も法律で禁止、
英国では1965年、電波法によりタバコ広告を禁止、1991年、テレビでの広告を禁止、米国では1971年
に電波法によりタバコ広告を禁止、カナダおよびオーストラリアでは1988年、電波媒体で、1989年には
印刷媒体でのタバコ広告を禁止、1990年以降、すべてのタバコ・イベントを法律で禁止、ニュージランド
も同様なタバコ広告とイベントの禁止を法律で定めています。ノールウエイは1975年にすべてのタバコ
広告、イベントを法律で禁止、フランスでは1993年、すべての広告と販売促進活動を禁止し、シンガ
ポールでも、すべてのタバコ広告を法律で禁止、政府当局がタバコが引き起こす健康障害を阻止する
強い姿勢を明確にしました。



2005年4月以降は掲示禁止




海外から帰国して一番気持ちを重くすることは、成田空広告の港から利用する車内のタバコ広告で
した。JR、私鉄、地下鉄の車内広告には、「自然のきれいな空気との出会い」をテーマにし、「健康
そのものを象徴する体の引き締まった、半裸体の男性像」を利用したタバコ広告、・・タバコの実体とは
全く正反対の演出された情景に暗示をかけられて、多くの若い男女はタバコを、 「バイタリティ」、
「ファッシォン性」、「自由」 、「現代性」 、「大人の特権」 等のイメージでとらえています。

2002年11月3日、テレビ東京の「感動のチリスキー・FREEDOM」という番組で、番組の締めくくりの
シーンで、唇、タバコ、煙を大写しした喫煙シーンが放映されましたが、この番組政策担当者の
「タバコ賛美」の意図をくみ取れます。それともJTから資金をもらっていたのでしょうか。

2003年7月、22時台に放映されたテレビ朝日「ニュースステーシォン」のコマーシャルを見て驚きました。
「愛煙家」と大きく表示し、タバコを賞賛する画面が大きく映し出されていたのです。マナーキャンペーン
の名を借りて「愛煙家」なる造語を広く定着させ、タバコの有害性を忘れさせる広告です。タバコの
テレビ広告は全世界で禁止されつつある今、どうして日本でのみ、こうしたことが許されるのでしょうか。
「私がタバコ広告に出れば何百万人の人の命を奪うことになる」とタバコ広告への出演依頼を拒否した
アメリカの女優がいましたが、こうしたテレビ広告は若者の喫煙を助長し、更に数多くのタバコ病患者
を増やすことに他ならない。楽しそうに麻薬を使っている映像を流し、使用済みの注射器や針は所定の
場所に捨てなさいとPRすること全く同じです。映像の陰に死神が潜んでいるような広告でした。


2005年4月以降は掲示禁止





2004年まで、日本では電波媒体の自主規制はあるものの、政府は規制に全く関与しようとせず、青天井、
制限なし、都市のビル屋上に設けられた巨大タバコ広告は、強い照明を浴び夜空にくっきりと浮かび
上がっており、野放しの状態でした。こうしたタバコの有害表示を隠蔽した広告が、タバコ消費を更に拡大して
いました。しかし、日本も批准したWHO主導の「タバコ枠組み条約」に基づき、2004年10月になって、
政府はやっと 電車やバス車内のタバコ広告を禁止 しました。さらに、2005年3月には、市中の ビルの
壁面を埋めていたすべてのタバコ広告板は撤去され、イタリアに遅れること43年、他の先進国に15年
以上も遅れて実行したとは言え、日本の社会も、やっと少しずつ良くなって行く兆候と感じられました。

しかし、この期待は完全に裏切られました。屋外タバコ広告の復活です。広告板はビルの屋上、壁面に
しっかりと据え付けられました。今までとの違いは、警告表示を「吸い過ぎに注意しましょう」の文言が、
「肺ガンや心臓病」などの具体的な病気の危険性を表示した内容に変わっただけです。屋外タバコ広告は
「タバコ枠組み条約」第13条違反であり、小泉政権が今後もタバコ中毒者育成政策を持続し、タバコ
販売を促進して行こうとする姿勢を裏付けるものです。こうした政府の方針は、喫煙行為の当然の帰結と
して医療費の増大をもたらし
、良識ある世界の人々の軽蔑と嘲笑を招くことになります。


2004年3月、日本たばこ協会は 「製造たばこに係る広告、販売促進活動及び包装に関する自主規準」
を設け、その中で屋外広告板の掲示を2005年3月末までとすることを定めました。しかし、広告契約の
解約が困難なケースについては2005年9月末までの掲示を認めたことがタバコ屋外広告の復活に
つながったのです。僅か6ヶ月間の猶予期間ではあったのですが、「タバコ枠組み条約」第13条違反で
あることを承知しながら、中毒者育成への悪あがきを続けたのです。新宿駅東口の真正面の大きな
タバコの屋外看板も期限ぎりぎりの2005年9月末まで掲示されていました。

しかし広告看板は撤去されても、一旦薬物中毒となった喫煙者たちは、タバコの包装に記載してある
健康警告を無視し、喫煙をやめようとする気配はありません。




日本は世界の異端者  タバコ副流煙を有害と認識していない社会  「受動喫煙問題」軽視の姿勢から転換する医師
タバコ病医療費はタバコ収益の数倍 タバコ中毒者が要職の席に座ることの出来る国」日本
タバコが人を変える   タバコ会社はタバコ痴呆の民衆を好む


 
JTの罠にはまるな
  タバコの有害性を隠し通そうとするJTの巧みな広報活動と
   喫煙行為を止めるよう、国民の意識改革を狙うオーストラリア、ロシアの取り組み



タバコ広告で中毒者を大量生産
執筆 2005年6月「禁煙席ネット」 主宰、医学博士 宮本順伯



追悼
青森県深浦の平沢町長さんが肺癌(がん)で死亡

街からタバコ自販機を全面撤去させる条例を可決させ、タバコの害毒から町民を守ろうと努力した町長さんが、
自分が喫煙していたころに吸い込んだ有害物質のためでしょう、2004年12月、肺臓癌で死亡しました。享年57歳





「タバコ追放」イコール「医療費節減」



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