安倍内閣への国民の不信感が参議院選挙の結果に表れた。自民党の歴史的大敗である。
民主党への支持というより、国民は自民党政権を見限ったのだ。
総理は「選挙結果を真摯に受け止め改革を進めて行く」と言うが、それは単なる言葉だけの
遊びで何も改革を実行しているのではない。これだけの敗北結果をふまえて政権続投宣言
などもってのほかだ。日本政府は世界が北朝鮮の核問題を真剣に討議している最中に、
問題をこじらすような拉致問題を取り上げているが、それを米国を始め、中国、韓国からも
批判され、さらに慰安婦問題を突きつけられ、日本だけが孤立している。
同じように世界から軽蔑の目でみられている姿勢にタバコ規制がある。2007年6,7月バンコク
で開かれたWHO(世界保健機関)FTCF( たばこ枠組条約)の第2回国際会議が開催され、
日本政府からは、外務省、厚生労働省、財務省から計10人が出席した。世界の多くの国の
代表が「タバコ規制を本格的に進めたい」との 提言に対し、外務省、財務省の官僚は条約の
骨子に反対する発言を行い、改めて日本の官僚のタバコ擁護と財政第一主義の考え方が
露呈した。
日本政府は機会あるごとにタバコ規制に反対してきた。日本国民の健康を願うのではなく、
あくまでもJTの筆頭株主(株式の50%を保有)として、タバコの販売の伸びが鈍化することを
牽制しているのだ。一箱、20本の値段が300円前後の低い価格に抑えられている先進工業国
は他にない。タバコ自販機が国中、街中に溢れている国も世界中どこにもない。正にタバコ
中毒者育成国家である。
「自民党歴史的大敗・どうなる?安倍政権」2007年3月4日放送「ウエークアップ!ぷらす」
画面で見える灰皿の数は四(死に結びつかねばよいが)
2003年に健康増進法を成立させ、受動喫煙の防止努力義務を課しながら、自民党政権閣僚
の政策論議のテーブルには常にいくつもの灰皿が置かれている。2007年の今、世界の政治
の世界に紫煙がたなびくのをあなたは見たことがありますか。自民党政権は世界の趨勢を
全く理解していない。そして日本の法律を国民の目の前でないがしろにしているのだ。こうした
現状に対し、政治家の誰もが疑問に思っていないのは正に異常だ。そうした人々に政治を
まかせることは到底出来ないことである。
2007年9月日、安倍首相は精神的にも、政治的重圧に耐えることが出来ず、突如辞任した。
その後、自民党総裁には福田康夫氏が就任したが、9月24日に放映された映像は、上に
示した写真と同じで、ガラスの灰皿がテレビの照明に輝いていた。写真は自民党の今後の政治
姿勢を象徴しているとも言える。だだ着席している人物が入れ替わっただけのことだ。つまり、
誰がトップの座に座ろうが改革はかけ声ばかりで、受動喫煙無視の自民党体質が大きく変わる
ことはないだろう。福田新首相は法令を遵守してことを進めると発言しているが、自民党政治家
全員が自民党本部内で健康増進法違反を犯している。そのことを全く自覚していない。
政権が変わっても相変わらず拉致問題を優先課題としているが、北朝鮮当局者が述べている
ように「死者がこの世によみがえらない限り問題を解決するのは不可能」であろう。米国は
日本の対応の柔軟性に期待していると表明しているが、自民党政権が世界でいかに異様な
存在なのか一度じっくり考えてみてはどうか。海外メディアは日本の政局には関心が薄く、
新政権にあまり期待していないようだ。サブプライム問題が明るみになった後に急落した世界の
株式市場の中でも、日本株式の下落率は特に大きく、依然として低迷を続けている。外国人
投資家が日本の政治スタンスに失望して資金を他の国に移しているとの情報もある。
自民党政権・政治不毛の時代へ
受動喫煙問題を無視する自民党政権
自民党政権の政治不毛を嘆く
法律を無視する政府自民党政権
議員会館は法律を無視する場所?
政治家にはタバコ排除の見識が必要
道路特定財源審議にタバコは必要か
古き悪しき体質の自民党:建物内での喫煙OK
あなたはそれでも自民党を支持しますか?
2007年8月執筆 禁煙席ネット主宰 医学博士 宮本順伯
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