健康障害もなく安心して食事出来る完全禁煙の店内
東京都が独自の喫煙規制策を実行、国との差別化を図る
欧米からの旅行者は日本の飲食店内で、まだタバコが吸えることを知り驚きを隠せない。米国
カリフォルニア州では20年以上前から飲食店内は完全禁煙となっている。飲食店が喫煙規制に
反対する理由 収益の上がるアルコール販売に力を注いでいる店では、喫煙者はよい顧客であり、
店の中で たばこを吸ってもらわないと経営が成り立たないと考えている。たばこは店主や客同士の
触れ合いの社交場としても大切で、喫煙者は欠くことの出来ない存在とも考えている。酒と
たばこは共に欠かせないグッズである。喫煙者にとって食事中や食後に吸う一服は至福の
ひとときと言う。
そこで飲食店内に喫煙できるスペースを整備して喫煙者にも気軽に飲食店に来てもらいたいとの
考え方がある。しかし、WHOでも明確に述べているように「
喫煙室内の有害煙を完全に防止する
ことは不可能」である。つまり、分煙の最大の欠点は、喫煙空間に立ち入る従業員が多大の
健康被害を受けことである。ほぼすべての国の受動喫煙防止法でも、その目的にそこで働く人が
健康上の不利益を受けないようにすることが記載されている。
Source: NHK April 18, 2019
分煙のもうひとつの大きな欠点は、「全面禁煙」と「完全分煙」との店舗が同時に存在する場合、
喫煙者は無論、その友人たちも「完全分煙」の店に客が流れるので、「全面禁煙」の店の営業
成績が低下するという経営上も問題がある。その結果、「完全分煙」出来ない狭いスペースで
営業している飲食店に廃業への危険性をもたらすとの懸念が浮上している。地方自治体や国などの
行政機関が飲食店での喫煙行為を支援するべく分煙設備への補助を進めている根底には、こうした
間違った考え方がある。
日本で喫煙規制により顧客数の減少に関する不安心理を利用して分煙室の積極的設置の広報を
行っているのはJT と分煙施設設置業者である。しかし、タバコを吸わない大多数の人にとっては、
タバコの有害煙の流れてくるような「全面禁煙」でない店は一切利用したくない。今後
発がん物質を含むたばこ有害煙の知識が普及するにつれ、分煙体制をとっている飲食店を含め、
利用者がたばこの吸える店を利用しない風潮が強まることは間違いない。
世界の先進国、中進国では2007年以降、屋内全面禁煙へと政策転換を行って来ている。
喫煙ブースの整備を容認し、大幅な経済的助成を実行している国は日本以外ないだろう。
妥協を排除し、飲食店内全面禁煙を採用した英国、アイルランド、米国カリフォルニア州、
カナダ オンタリオ州などでは医療費削減、がんや心疾患の大幅な減少が報告されている。
東京都の受動喫煙防止条例では、自民党などの提案している規模による規制区分を放棄して
従業員の有無で規制範囲を定めたため、全体の84%が規制対象となったことに比し、国の
法律では全体の45%がが対象となる違いがある。東京都条例では専用喫煙設備内では
飲食を禁止し、従業員の受動喫煙被害を防止を図っており、世界最低と評価されている
日本であるが、国の政策よりも進んだものとも評価される。一方、雇用者のいない飲食店での
喫煙行為を認めており、店内で従事している家族、そして喫煙者同士が互いの健康を害して
ことを事実上認めている条例だ。
屋外テラス席の規制に関しては「国の方針に従う」としているが、歩道に面しているテラス席で
喫煙された時、間違いなく歩行者が受動喫煙の被害に合う。路上喫煙禁止条例で、いくら喫煙を
禁止しても、歩道上で人々は強制的にタバコ有害煙を吸い込まされることになる。この点から
評価しても、自らが述べていた「国に先駆けて行う都民の受動喫煙防止」ではなく、
考える
ことを忘れた小池都知事の姿勢が見え隠れする。
東京都も認めている飲食店内での喫煙室設置は世界50カ国で禁止している施策であり、今回の
条例は、明らかに健康上の対策ではなく、政治的配慮によるものと推定される。それは例外なき
屋内全面喫煙規制とは全く違った妥協策である。中国には喫煙規制の国法はないが、北京市、
上海市は飲食店内の全面禁煙を条例で定めている。
ここで、なぜ、現在、小池派が圧倒的多数を占めている東京都都議会で「
世界最低レベルとの評価」
を払拭し、IOC,WHOの指針とも合致した、世界都市として全く
恥ずかしくない条例とすること
を放棄したのだろう。その背後にあるものは、小池知事が確固とした信念もなく、屋内喫煙規制に
反対する者たちの反発を強く恐れて、自己の保身に走ったためだろうか。
従業員のいない店で喫煙専用室を容認、飲食店の喫煙室整備に90%もの補助を表明
小池東京都知事
Source: NHK April 18, 2019
2015年9月の日本タバコフリー学会(松山)特別講演にて使用したスライド(宮本順伯)
※書籍「一匹狼の国」風刺画より引用:コピー禁止:画像は著作権により保護されています
タバコを吸うために店内喫煙室を利用することは、自分の吸い込むタバコからの有害物質と、
周りの喫煙者の吐き出す有害副流煙とを同時に自分の体内に取り込み蓄積すること
タバコを吸わないあなた! 自らの健康のためには喫煙室のある飲食店を利用しないことが大切です
公衆喫煙所の整備費は全額補助(屋内喫煙所も対象)
小池東京都知事
2017年9月、日本タバコフリー学会で使用されたスライド(宮本順伯)
先進国中、何故日本だけ公共の場所で全面禁煙が出来ないのか(故大橋巨泉氏)
分煙では受動喫煙を防げません「全面禁煙しても飲食店の売り上げには影響ない」
BuzzFeedNews
喫煙により増加した死因および疾病(日本医師会資料)
飲食店が全面禁煙でない経済大国は日本と中国くらい
飲食店屋内が全面禁煙となっている国と地方 2017年現在
フランス、オランダ、デンマーク、アイスランド、アイルランド、フィンランド、スェーデン、ノルウェイ、スペイン、イタリア、
マルタ、英国、ギリシャ、ベルギー、モナコ、台湾、香港、シンガポ−ル、タイ王国、ブータン、インド、イラク、シリア、イラン、
トルコ、イスラエル、ブラジル、ウルガイ、オーストラリア、ニュージランド、グアム島、ハワイ、カナダ、コスタリカ、
プエルト リコ、ロシア、韓国、フィリピン
Indoor smoking ban in each country
★一匹狼の国' 口絵より引用--著者自身が自己の現地検証と複数の信頼できる資料をもとに作成
ワインレッド色:屋内全面禁煙を強いる国法がなく、制定に向け具体的な動きがない国で、日本と中国などが該当する
日本と違うことは、中国では全高速列車車内は完全禁煙、首都北京および、大都市上海では全ての飲食店など
公共的空間は全面禁煙となっている
Copyright (C)2015 Junhaku Miyamoto All rights reserved.
「一匹狼の国」口絵より転載:画像は著作権法によって保護されています(複写転載禁止)
首都北京市は厳しい喫煙規制法を実施
上海市で屋内全面禁煙を実行
日本の対策『前世紀並み』「分煙は効果なし」 WHO
・・朝日新聞報道 2017
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Tokyo passes tough anti-smoking law ahead of 2020 Olympic.
Tokyo was set to be the smokiest Olympic games in years if no action was
taken, anti-smoking activists said.
The new city law, which takes full effect several months before the Olympics
open on July 24, 2020, bans
smoking in any bar or restaurant with hired employees.
Reuters 27 June 2018
以下、正確とするための修正部分
The new city law, which takes full effect several months before the Olympics
open on July 24, 2020, bans
eating in a designated smoking place of any bar or restaurant with hired employees.
国際標準に近づける施策:東京都受動喫煙防止条例に関する2017 提言 宮本順伯
Recommendation to the Tokyo Metropolitan Government's Passive Smoking Prevention
law to bring it closer to world standards:
A suggestion by Dr.Junhaku Miyamoto
禁煙席ネット
twitter@smokefreejpn
2018年5月 全国喫煙者率調査[日本]
2019年
男性喫煙率 27.1%
女性喫煙率 7.6%
引用:厚生労働省ウェブサイト.令和元年国民健康・栄養調査報告;2020年
外国からも指摘されているが、オーストラリア、北米、北欧諸国に比べ男性喫煙率が非常に高い
保健関係者は「タバコ業界は、錯覚しそうな情報を流すが、教養のある人ほど惑わされない」と述べている
2021年、米国に於ける喫煙率は男性、17.5%、女性、13.5%(英文)
2022年 日本人男女喫煙率
朝日新聞意識調査 2017
飲食店内完全禁煙(83.7%)
喫煙可、分煙、禁煙別を店舗が選択し店頭表示(9.2%)
空調設備を設ける分煙(5.5%)
路上全面禁煙(61.0%)
指定場所以外では喫煙禁止(32.8%)
屋外では喫煙規制なし(2.7%)
歩きたばこ禁止、立ち止まって喫煙(2.7%)
投票性別:男性、61.8%、女性、36.6%
引用:朝日新聞意識調査、2017年3月31日ー4月11日 公開実施
WHO: 2007年に屋内全面禁煙の法制化を各国政府に通知
・・日本はこれを完全無視
東京都は従業員を雇用している飲食店に専用喫煙室を容認
2018年10月執筆 日本タバコフリー学会顧問 医学博士 宮本順伯
★This Web site is link-free.
The contents and photographs were provided by Junhaku Miyamoto, MD, PhD.
The article was written in October 2018.
Information was added in July 2023.
宣言 2018年11月22日 宮本順伯
自己の健康を守るため、飲食店は必ず全席禁煙の店を利用、
どのような状況でも時間分煙、完全分煙の店は利用しません。
ホテル、旅館は原則全室禁煙のところに宿泊します。
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Olympic
Hawaii 1960-2007
Public relations poster of the smoke-free law in Hawaii