「国際標準」を大きく下回る東京都受動喫煙防止条例

自民党修正案：

飲食店などの建物の中を原則禁煙とする法案をめぐって、塩崎厚生労働大臣と自民党の茂木政務調査会長が
会談し、茂木氏が規制基準を緩和する党の修正案に理解を求めたのに対し、塩崎大臣は「修正案では
受動喫煙を防げない」として折り合わず、調整を進めることになった。茂木氏は「喫煙可能」や「分煙」など
の表示をすれば、一定規模以下の飲食店では喫煙できるとする一方、喫煙可能の店への未成年者の立ち入りを
禁止するなどとした党の修正案を説明し、修正案でなければ党内の意見集約は困難だとして理解を求めた。

引用：NHK、2017年5月14日放送

コメント:このことは、自民党議員は世界50カ国以上で行われている屋内全面禁煙規制を否定し、小規模店
では店内で自由に喫煙出来ることを求めていることに他ならず、2004年に日本が署名した国際的条例を反故とし、
たばこ会社と喫煙行為支援の意思表示と受け止められる。100㎡以下の店を除外した2006年のスペイン喫煙
規制に関して、2011年にスペイン政府自身が完全な失敗であったと世界に表明し、全面禁煙に改めた。
その事実をも完全に無視し、国民全体の健康保全をないがしろにする風潮が自民党内に浸透しているようだ。
自民党は前世紀レベルの政治家集団としか表現出来ず、呆れて言葉もない。しかし、こうした政治家を
支えているのは多くの国民だ。

東京都受動喫煙防止条例

「世界標準を完全に無視した知事、都民の健康を守る知事でなく、理不尽な業界の意見を重視する知事」

東京都知事選挙で大いに期待された小池百合子知事だが、どうやら投票した人々は騙されていたことが
明確となった。小池知事は「国は決めることが遅い。役所の縦割り、セクショナリズム、そこを変え
ようとすると官僚の抵抗にあう。強いリーダーシップが必要。だから、国でやると時間がかかることは
東京都で出来るようにしていきたい」と述べ、「IOCやWHOが求めている対策をしっかり進めていける
よう規則を作っていきたい」と語っていた。
引用2017年8月7日　Reuters／Toru Hanai

しかし、真っ先に行ったことは家庭内での喫煙規制、しかも努力義務という馬鹿げた条例だ。いまさら
述べるまでもなく、「努力義務」なる条例を制定しても全く無意味である。それは、ざる法となった
健康増進法と同じ過ちを繰り返すことになる。こうした海外でも例を見ない馬鹿げた条例を、小池知事と
支持者たちが制定したとは全くあきれ返る。
→ 選挙後に真っ先に行うべきことは、「国際標準となっている飲食店や鉄道車内での喫煙行為の禁止」
ではないのか！小池知事はオリンピックのホストシテイとして、IOC, WHOが求めている公共的施設の
全面禁煙を制定すると都知事選や、ロイターとのインタービューで述べていたが、本当に実行する
意志があるのだろうか　→ そうではないことが後日判明する

2017年8月「一匹狼の国」著者　宮本順伯

都知事ロイターのインタビュー：受動喫煙防止策制定へ「国で時間かかることは都で」

2017年８月７日、小池百合子東京都知事は、ロイターのインタビューで、国でやると時間がかかる
政策は東京都でできるようにしたいと述べ、都で受動喫煙防止条例の制定に向け作業中であることを
明らかにした。

2020年のオリンピック・パラリンピック開催に向け、世界保健機関（ＷＨＯ）と国際オリンピック
委員会（ＩＯＣ）は「たばこのないオリンピック」の推進を求めている。一方、受動喫煙防止法案を
めぐり、厳格な規制を求める塩崎前厚生労働大臣と自民党の意見の隔たりが大きく、国会では
法案提出にも至っていない。小池知事は「国は決めることが遅い。役所の縦割り、セクショナリズム、
そこを変えようとすると官僚の抵抗にあう。強いリーダーシップが必要。だから、国でやると
時間がかかることは東京都でできるようにしていきたい」と述べ、「IOCやWHOが求めている
対策をしっかり進めていけるよう規則を作っていきたい」と語った。

都知事に就任して１年、一番良かったこととして「みなさんに、小池都知事が次は何をするのだろう、
という目で見てもらっていることは、いい流れだと思う」と述べ、その期待に応えるのは
大変なのではないかとの質問に「大変だからやりがいがある」と答えた。
引用2017年8月7日　Reuters／Toru Hanai

「東京都受動喫煙防止条例（仮称）」について、小池百合子都知事が基本的な方針を発表した。
施行開始は2019年9月～11月に開催されるラグビーワールドカップ前までを予定。その基本と
なっているコンセプトはタバコを吸う人々を吸わない人々とに分ける分煙制度であり、すでに
禁煙となっている医療機関や教育機関を原則的に全面的に喫煙を禁止するものの、施設や利用者に
応じて分煙施設を設置できない施設に対しては例外規定を設けた。前面に「原則全面禁煙」と
掲げているが、飲食店内等の分煙施設を公式に認めており、都民は言葉のトリックに騙されている。

ホテル・旅館・職場など事業所や飲食店、娯楽施設は原則屋内禁煙とするが、喫煙室の設置を
認めており、一定の基準を満たした（屋内）喫煙専用室であれば喫煙を認める。飲食店でも30平米
以下のバーやスナックなどは、喫煙室の設置が難しく、従業員を雇わずママやオーナー1人でやって
いるお店、従業員が全て同意している店、未成年を立ち入らせない店については、店内で自由に
喫煙出来る店として例外的に認めるとしている。

繰り返すが、小池知事の提言は「世界標準」の飲食店などの屋内全面禁煙制度を完全に無視し、
喫煙施設を設けた分煙制度を基本としている。分煙できないような小規模の店舗では喫煙行為を
認めるとしている。未成年が利用しない店舗では、同様に喫煙を認めるとの設定だが、
「子供でなければ受動喫煙のリスクを回避する必要ない」との考え方で、これでは受動喫煙
防止でなく、店舗内に有害物質が立ち込めてもお構いなし、そうした店を利用するのは自己責任だ
といわんばかりである。

日本と同じような居酒屋を含む小規模飲食店は台湾にも沢山ある。台湾政府は2009年にそうした
店を含め、店内を完全禁煙とした。その後、こうした店が潰れたとの話は聞いていない。
スペインでは2007年当初、飲食店側の反対意見が強く、分煙制度を施行したが、国は「国民の
健康が守れない」「抜け穴だらけとなる」などの理由で2011年に分煙制度を廃止し、屋内完全
禁煙とした。法令実施以前と以後との経営状態の比較検証研究では、49の内47の調査で
「全面禁煙化することによる収入減少」は認められていない。

コメント:
世界50カ国が屋内全面禁煙制度を実行している中、「喫煙室の整備」に対し、経済的支援を行うなど、
世界が「喫煙室の排除」に全力を注いでいる中、真っ向から反対の政策を実行しようとしている。
「科学的に有害と証明されている専用喫煙室を認めて行こうという、その根底には、国民、都民の健康
保全のためという健康上の問題ではなく、あくまでもタバコ会社の意向に沿った政治的決定ではないか！
「やる気あるのか」と厚生労働省を批判しているが、分煙制度を将来も支持、継続している今の姿勢では
世界標準に到底及ばない。朝日新聞の調査で国民の83.7％が屋内全面禁煙（喫煙施設排除）を望んでいる
ことなど全く無視している。小池知事はやはり、WHO、IOCや都民を裏切る「緑の狸」に過ぎない存在と
言える。こうした形で東京五輪を迎えることは非常に残念で、悲しまずにはいられない。

屋内喫煙設備を完全撤去した中国: 北京上海 2019

　塩崎前厚生労働大臣、受動喫煙防止「世界に恥じない法案を」
　Minister of Health, Labour and Welfare, Yasuhiro Shiozaki said
'Smoke-free bill should not be ashamed of the world’.

大臣談話では「いまだ多くの国民が飲食店や職場等の『公衆の集まる場』において深刻な受動喫煙の被害に
遭っている」と強調。「国民の多くが成立を望んでいた法案の中身に付き、残念ながら結論に至っていない」
と釈明した上で、2020年東京五輪・パラリンピックに向け「『たばこのない五輪』という伝統を継承する
責任がある」と訴えた。
引用：産経ニュース、2017,6,20

2017年9月、日本タバコフリー学会で使用されたスライド（宮本順伯）

2017年9月、慶応義塾大学で行われた日本タバコフリー学会で宮本順伯医師が特別講演

　受動喫煙対策「屋内原則禁煙、譲らない」塩崎前厚生労働大臣
　　・・　小規模飲食店の例外を認めると「原則と例外とが逆転」
　　　　「世界に恥じない法案を」

　・・しかし、残念なことに、正しい信念を抱く大臣は、独善を重ねる分煙支持の安倍首相と、
長いこと盟友である「タバコと肺がん」との関係を疑問視する、麻生財務相の影響も受けたのであろう、
その座から解任された。

安倍首相と麻生財務大臣( Huffpost )

代わりに、安部首相は喫煙自由を主張する自民党たばこ特別委員長と，タバコ献金疑惑のある分煙制度
容認の「加藤厚生労働大臣」を任命した。

自民党議員控室は喫煙自由であり、そこで受動喫煙防止法令が審議されているのだ。そのような野蛮な、
非健康的行為を行う政治勢力が日本には今だに存在し、それを支持している国民も少なくない。

　オリンピック誘致に嘘で固めた安倍首相の記者会見

　与党は喫煙擁護の政治姿勢　(分煙推進のオリンピック担当相と分煙支持の厚労大臣を任命）

　政治家にはタバコ排除の見識が必要

タバコが認知機能に影響している可能性を示唆（英文）

　FCTC 受動喫煙防止国際条約タバコ規制枠組み条約第8条:

タバコの煙にさらされることからの保護を規定（2004年に日本が締結署名した国際条約は2010年までに
実行せねばならない）
１.　締約国は、タバコの煙にさらされることが死亡、疾病及び障害を引き起こすことが科学的証拠により
明白に証明されている
ことを認識する。
２　締約国は、屋内の職場、公共の輸送機関、屋内の公共の場所及び適当な場合には他の公共の場所における
タバコの煙にさらされることからの保護を定める効果的な立法上、執行上、行政上又は他の措置を国内法に
よって決定された既存の国の権限の範囲内で採択し及び実施し、並びに権限のある他の当局による当該措置
の採択及び実施を積極的に促進する。

　2004年に日本が締結署名した国際条約は2010年までに実行せねばならない。
日本が終結した国際条約を守らないことは日本国憲法第98条第2項違反（日本憲法違反）となる。
日本国憲法第98条第2項

　2009年世界禁煙デー記念講演「ドイツ受動喫煙規制法に学ぶ」
　　　2008年、規模による喫煙規制はドイツ憲法違反と判断

分煙では効果ない」WHOが日本に全面禁煙を勧める根拠とは
・・分煙では効果ない、五輪契機に建物内の完全禁煙

2017年9月、日本タバコフリー学会で使用されたスライド（宮本順伯）

A video created by WHO to stop tobacco-industry-interference campaign.
WHO製作：たばこ会社の不当な干渉を防げ:あなたはJTの巧みな罠にはまっていませんか？

　Among industrial countries, why Japan alone cannot establish a total smoking ban
in a public place?
　先進国中何故日本だけ公共の場所で全面禁煙が出来ないのか（故大橋巨泉氏）

　小池都知事：オリンピック史上初、公共的空間での喫煙を容認

塩崎前厚生労働大臣が、「自民党が求める広範な例外を東京に当てはめると、85％以上の飲食店が
例外扱いとなる。原則と例外とが逆転してしまう恐れがある」との「正論」を小池氏も否定するの
であろうか。都知事選挙のときに、自民党東京議員団が「政府の見解とは異なっても、東京都で
屋内全面禁煙制度を実施する」と述べていたが、小池氏は一旦、都知事の座につくと、今まで
対峙していた自民党政府と、ほぼ同じ喫煙規制を、なぜ行うのか、日本の喫煙容認姿勢は世界中の
顰蹙（ひんしゅく）をあおるだろう。世紀の祭典、オリンピックを2020年に控え、今、日本の
置かれている異常な事態を直視する必要は全くないのか。

中国には受動喫煙防止法案の国法がない。しかし、北京市、上海市では飲食店を含む公共的屋内施設は
全面禁煙となっている。なぜ、オリンピック、パラリンピックを迎える東京で同様の、例外なき喫煙
規制が出来ないのか、小池東京都知事は、北京市長、上海市長の方針とは全く異なって、「市民の
健康を守る」ことに徹することが出来ないのはなぜか。それは理不尽な業界団体の利益を優先して
いるためではないのか。

今回の都条例の参考とした法制度は、「分煙施設」を健康悪として排除しなかった、世界最悪と評価
されている（松沢前知事主導の）神奈川県条例であり、自民党内での反対意見を勘案している。そして
世界に例を見ない「反健康的」分煙施設整備への補助金利用を表明している。小池都知事は「日本の
受動喫煙対策が世界最低レベルである」と認定されている事実を無視し、「国際標準」に合わせよう
とする努力は、微塵のかけらもない。

前にも述べているが、ロイター通信とのインタービューで「IOCやWHOが求めている対策をしっかり
進めるよう規則をつくる」と言っていたが、そのときの自分の発言と今回の条例案とのギャップに
後ろめたさを感じないのだろうか。たとえ「受動喫煙防止条例」を制定しても、松沢前知事も提唱して
いる「分煙制度」を組み込んだ条例であるならば、基本方針は「原則全面禁煙」であるといっても、
喫煙室を温存させ、多くの例外規定を設けている、最初から「抜け穴を用意した」、国民、都民の
健康を守る条例でなく、ただ形式のみを整えた、名前だけの受動喫煙防止条例となる。

東京都の場合を考えるとき、『小池都知事の「国際標準に向けた飲食店等の全面禁煙」への決断こそ
これからの日本を変えることが出来る』とのメッセージである
（2017年９月タバコフリー学会）で産経新聞東京本社、平沢裕子氏の使用したスライドから

東京五輪を控え、鉄道車内での喫煙室廃止を含め、世界標準の喫煙規制を実行し、日本を「列車内で
タバコが吸える国、飲食店でタバコが吸える国」と、海外からの人々から軽蔑される国としてはならない。
「尊敬される清潔な国、日本」となるか、「馬鹿にされた喫煙者天国、日本」となるか、その分岐点は
今回の条例の内容如何にかかっている。もうすでに手遅れとの感を否めないが、私は今回の東京都議会に
与えられた絶好の政治的環境を逃したら、2020年のオリンピックでは、今までの伝統的な「屋内全面
喫煙規制を反故とした五輪唯一の例外都市」とのレッテルを貼られ、それ以降も長期間、小池知事は
「都民の健康を守る知事でなく、業界の理不尽な要求に左右される都知事」として、また、首都東京は
世界から見下ろされた「タバコをコントロール出来ない都市」として、軽蔑と嘲笑を免れることは
不可能になると予測している。

　絶好の機会を失った東京都：

→都知事選挙では自民都連が、「国の方針と違っても、都民の健康増進を図るため、原則屋内全面
禁煙とする受動喫煙防止都条例を制定する」とまで公言していた。小池都知事も「オリンピックの
ホストシテイとして、IOC, WHOが求めている公共的施設の全面禁煙を制定する」と述べていた。しかし、
一旦、都知事の座に着くと、飲食店など「屋内全面禁煙条例」ではなく、自宅内で子供の前で喫煙しない
との、実効性のな、馬鹿げた努力義務条例を公明党とともに可決し、本来の受動喫煙防止条例を見送り、
二度と来ない「屋内全面禁煙条例」成立の機会を失ってしまった。今では自民党議員の主張する屋内
喫煙設備（分煙制度）を認めた法令との整合性を重視しており、都独自の条例成立を延期している。

塩崎前厚労相がいくら正論を述べても、上には安倍首相と麻生財務相がおり、解任することが出来るが、
都知事の上には誰も存在しないので、画期的な、「世界に恥じない条例」を成立させることが出来た。

2016年に事実上自民党を離脱した小池氏には、「一匹狼の国」の本を贈り、世界のタバコ規制の実情と
日本の置かれえている特異な状況に関しての十分な情報を提供したが、その内容を全く無視したもの
と考えられる。残念ながら、小池氏には2000年初頭に各国で議論された難しい問題を解決したいとの
意欲もなく、IOCの屋内完全禁煙との伝統に従って、2007年に英国で、2015年に北京市で行われた屋内
全面禁煙というオリンピツクのレガシー（遺産）も柳に風、自民党議員たちの立ち上げる国法に先駆けて
分煙制度を廃止し、「屋内完全喫煙規制」を都がリードするという裁量は皆無だったと推察される。
東京都にとって、日本にとって、また世界にとって不幸なことである。
「一匹狼の国」著者　医学博士　宮本順伯

国法のない中国で、首都北京市は厳しい喫煙規制法を実施
国法のない中国で、上海市で屋内全面禁煙を実行
2007年、英国：屋内全面禁煙へ転換
2009年に飲食店屋内を全面禁煙とした台湾

　分煙制度に固執、馬鹿さ加減を露呈した東京都議会

東京都は2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、受動喫煙対策を強化するための
都独自の罰則付きの条例の制定を目指していて、2018年４月に条例案の骨子を公表し、規制に慎重な
飲食店の業界や積極的な医師会などと意見を交わしてきた。その結果、焦点の飲食店については、
従業員を雇う場合、店の面積など規模にかかわらず原則禁煙にする方針は維持するものの、屋内に
喫煙専用の部屋の設置を認める。一方、加熱式たばこについては国の法案と同様に、専用室を設ければ
飲食しながら喫煙できるよう変更する方針を固めた。このことは、世界で広く認められていた喫煙を
許された空間では飲食不可の大原則をも否認することになる。条例の制定に向けて飲食店での喫煙
専用室や屋外の喫煙所の設置に対する財政支援も拡充するという。この条例案は6月の都議会に提出する。

一見、前進したように錯覚する条例案であるが、日本政府の分煙施設補助制度との整合性を加味した
屋内喫煙行為を認証したに過ぎず、10年以上前の2007年に、欧米、オセアニア、アジアの主要国で
放棄された屋内喫煙施設の公認を行うことで、オリンピックで培われた公共的屋内空間での喫煙禁止
規制を完全に無視し、IOC、WHOの指針にも違反する法的措置である。2006年にスペインで採用され、
2011年に政府自らその誤りを認めた、その同じ過ちを、いま、また繰り返そうとしている。
こうした飲食店内での喫煙行為を容認し、しかも中小飲食店の喫煙室整備に90％もの経済的補助を表明、
室内での喫煙行為を後押している。

試算によると、都内16％もの小規模飲食店において喫煙が認められることとなり、世界標準の飲食店内
全面禁煙から大きく後退することとなる。（このような国際水準を大きく下回り、抜け穴だらけの）
条例を支持している尾崎東京都医師会長の見識が強く疑われる。★尾崎医師は2017年3月の読売新聞
対談で「屋内全面禁煙にすることだけが有効な手段だと考えます」と述べている。しかし、今回は、
分煙も容認する「東京都条例がこのまま成立してもらいたい」とテレビを前に発言している。
医師である会長の姿勢には大きな失望感を隠しえない。

2018年6月「一匹狼の国」著者医学博士宮本順伯

飲食店等に加熱式タバコ専用室を設置すれば飲食をしながらの使用を認める!
小池知事らの馬鹿さ加減
（産業医科大学、大和宏教授）
（注）2020年4月より施行された改正東京都受動喫煙防止法は、雇用人のいる施設では食事しながらの喫煙は禁止になっている

　東京都受動喫煙防止条例が成立

2018年6月、東京都議会で受動喫煙防止条例が立憲民主党、共産党の賛成を含めて成立した。
五輪開催の2020年4月から施行される。違反者には5万円以下の過料が科せられる。

事前に分煙支持の加藤厚労相と会談、屋内喫煙室の整備を進める安倍政権との対立を避けている。
古い体質の自民党を抜け出したはずだが、こころは自民党に残っているようだ。世界50カ国と歩調を
合わせ、WHO, IOCの指針に合致した条例を模索したのではなく、喫煙による障害を防止する目的
とは全くかけ離れた条例を作成、それを良しとしている。

Source: NHK April 18, 2019

東京都条例の最大の欠点は、屋内喫煙室の設置を容認、分煙施設設置への経済的補助である。
しかも補助率90％は、50％補助の国よりも寛大である。WHOが上席役員を日本に
派遣して、「分煙施設が受動喫煙防止に役立たず」例外なき「屋内全面禁煙制度」を説いても、
馬耳東風である。

オリンピックのレガシーとしての屋内全面禁煙の伝統が、残念ながら日本の首都東京で破壊
されてしまった。自民党政府が打ち出した受動喫煙防止案よりは多少ましだが、分煙施設が
受動喫煙を完全に防止できないとの科学的常識を無視し、従業員のいる飲食店で喫煙室の
設置を容認しており、従業員のいない個人飲食店では喫煙を全面的に許すなど、国際標準から
遠くかけ離れた喫煙規制である。

2018年6月「一匹狼の国」著者医学博士宮本順伯

喫煙設備の補助金上限、400万円に比べ、あまりにも少額だが、唯一、評価される政策
Source: NHK April 18, 2019

東京都受動喫煙防止条例対象施設と規制要約（東京都公式見解）
・・鉄道車内、従業員のいる飲食店内での喫煙専用室を容認するが、喫煙室内での食事は不可
・・たばこの対面販売をしているバー、スナック内では喫煙可
・・大学敷地、医療機関、行政機関、児童福祉施設敷地内は禁煙だが、特定喫煙所の設置を容認

東京都が独自の喫煙規制策を実行、従業員のいる飲食店喫煙室内での食事を排除し国との差別化を図る

受動喫煙防止条例案に賛成75.8% (JX通信社報道)

公衆喫煙所の整備費は全額補助（屋内喫煙所も対象）

世界的視野に欠く現代史家の小池批判（朝日新聞投稿）・・これに反論、宮本順伯

A man removes a sign saying that smoking is allowed in a bar in Pamploma, Spain, 2 January 2011

(L) 2011年、分煙制度の誤りを正式に認め屋内全面禁煙へ (R) 喫煙容認表示を剥がす係員

　2011年に分煙制度の誤りをスペイン政府が正式に認め屋内全面禁煙へ

　日本は男性の「喫煙と肥満」で長寿大国トップから転落、スペインが首位に
米国ワシントン大学最新研究　2018
5大危険因子は、高血圧、肥満、高血糖、飲酒と喫煙
このうち、飲酒と喫煙、特に喫煙は政府地方自治体の規制によってゼロとすることが可能