受動喫煙防止
NHK「クローズアップ現代」を見て




2016年12月14日にNHK「クロズアップ現代」に於いて、厚生労働省が打ち出した法的喫煙規制に関する
特集番組が放映された。見出しは、吸う人も、吸わない人も、大注目!「たばこ」を取り巻くルールが大きく
変わろうとしている。全国の公共施設だけでなく、飲食店や遊技場をすべて「原則禁煙」にするというもの。
たばこを吸わない人は大歓迎!一方、喫煙者や飲食業界の一部は猛反発している。たばこの新たなルール
づくりは進むのでしょうか?

日本では「新たなルール」ではあるが、諸外国では既に「国民の誰もが認めるルール」となっている。
喫煙問題に関する限り、「日本の常識」は「世界の非常識」であり、規制レベルを「世界スタンダード」に
近づけようとする動きに他ならない。

筆者の意見は茶色の文字で挿入してあります



かつて、たばこを吸っていたお笑い芸人のゴリさんはどう思う? ゴリさん:もうここまで厳しくなると、
やめてよかったなと思うぐらい、吸っている側はつらいですね。だって僕、スタッフとか、周りで
吸っている方も多いですけれども、昔なんて自由で、どこで吸おうが文句を言われなかったですが、
もう喫煙場所を探しては狭い所でギューギューで、サラリーマンの方が吸っていたりすると
わいそうに見えます。


現時点でも厳しい? お笑い芸人のゴリさん: ただでさえ日本って僕は厳しいと思ってたら、先ほど
日本は他の国に比べたらルールが一番ゆるい国だというのに驚きました。 居酒屋とたばこって、
いわゆる当たり前というか、居酒屋でたばこが吸えなかったら、どうすればいいんだろうというか。
マンションのベランダは? ベランダで吸う友達も多いので、ベランダもOKにはしてほしいですよね。

ベランダでタバコを吸うと、窓を開けていなくとも上層階の換気扇などから有害煙が入り込んで、

その部屋のひと全員が受動喫煙被害を被る。海外のホテルや共同住宅では、ベランダでの喫煙行為を
禁止しているところが多く、いま検討中のところも少なくない。



望月医師: ゴリさんがおっしゃった、居酒屋とたばこは分けられないだろうという議論なんですが、
世界で初めて全国の禁煙法を作ったアイルランドも同じ議論になったんです。パブと煙は分けられない
と思ったら分けられた(全面禁煙してもパブ文化は残ったとの意味)とアイルランド保健省の方が
おっしゃっていました。
2004年にWHO国際条約を国会承認している日本も屋内全面禁煙の規制に従う義務がある。

 望月医師、[新幹線もだんだん禁煙に]

役所や運動施設などの公共施設は、建物内禁煙に。 学校や病院ではより厳しい敷地内禁煙。 飲食店や遊技場は
原則建物内禁煙 : 違反した場合は「罰則」を適用するという厳しい案
完全に区切られた喫煙目的の部屋であれば、設置を認め、ホテルの喫煙客室も認可
鉄道車内や職場でも喫煙ブースを設ければ認可する考え

世界50カ国以上では鉄道車内は完全禁煙で、車内の喫煙ブースは撤去されている。JR東海、
JR西日本、近鉄特急は車内にタバコ有害煙が列車内に拡散する事実を無視し、廃止することは
考えていない。


Olympic Games and a restriction of smoking in a train by the host countries(英文)



厚生労働省健康課課長 正林督章氏:「世界の常識を日本の常識にしていくという意味はあるかなと
思います。まず『ちゃんと守って下さい』とおすすめをし、それでダメな場合は命令『守りなさい』。
それでもダメな場合は罰則をかける。より実効性の高いものにするというのが大きな違いです。」

街で新ルール案をどう考えているのか聞きました。
100人のうち賛成が67人、反対は32人と、新たな
たたき台を好意的に受け止める人が多かったんです。番組でも意見を募集し、15,000を超す声が
寄せられました。「『吸っていい?』と聞かれても断れない。法律で最初から禁止してほしい」と
支持する意見が多い一方で、「やりすぎ。たばこが違法でない以上、喫煙者の楽しみを奪わないでほしい」
と反対する意見もありました。

強い危機感を表したのが飲食業界です。喫煙客が減り、売り上げが低下することを懸念していました。
日本フードサービス協会 業務部部長石井滋氏は「かなり経営的には厳しくなってくる。
原則禁煙に反対する店の1つ、東京・新宿にある、カラオケバーで客の8割が喫煙者という店では、
常連客から「たばこが吸えなくなれば、店に来ない」という声が上がりました。 常連客は「飲んで
(たばこを)吸いたいです。」 9坪しかないこちらの店では、喫煙室を作るスペースや資金に
余裕はないと言います。もし店内が禁煙になった場合、客はどこでたばこを吸えるのかというと…
条例で路上喫煙を禁止している新宿区。 100m先の喫煙所まで歩かなければならないのです。
「酔っ払った方が何回も往復するというのは、ちょっと厳しいですね。勘弁してほしい。」


居酒屋ではタバコを吸いながら酒を飲みたい。禁煙規制を受ければ客が来なくなり経営的に厳しくなる。
そう、日本フードサービス協会業務部長の石井滋氏は危惧する。

同じ理屈でいえば、欧米、オセアニア、タイ、香港、台湾の居酒屋は経営できないのか。いやいや、答えは否(ノー)


飲食店が喫煙規制に反対する理屈

望月医師:世界はなんでこういうふうに厳しくなっていったかというと、受動喫煙の害に対する健康の
リスクが前提となって、特に屋内の禁煙規制から始まっていった。日本はどうかというと、JTは
「迷惑とかマナー」ということで言いかられていたんです。これは、たばこ産業自らがリスクの問題、
健康の問題」を「マナーの問題」に置き換えて、ここからスタートしたということがあると思います
ので、前提がそもそも間違っているということが、日本の遅れている1つの原因だと思います。
世界と同じに健康のリスクを前提にした時に当然、屋内の禁煙を求めていこうという流れになります。


自分は吸わなくとも受動喫煙による肺がんのリスクは確実に及ぶ

肺がんだけではない。受動喫煙の有害煙は脳卒中、心筋梗塞をも増大させる
 
日本人を対象とした再評価でも海外と同じ結果が出たとする望月友美子医師(日本対がん協会)


海外の規制レベルまで厳しくしようとする背景には、健康リスクというものがあるんです。健康問題と
して考えなければならない研究結果が出ているからなんです。 がんに関する調査・研究の国内拠点、
国立がん研究センターでこの30年間に発表された「喫煙とがん」に関する、400以上の論文を国際的な
統計手法を使って分析した。国立がん研究センター・がん登録統計室長片野田耕太氏は「肺がんの
リスクが高いと初めて示した。」 「受動喫煙による肺がんのリスク」が、日本人を対象にした研究では
初めて「確実」なものになったと発表しました。夫婦のどちらかが、たばこを吸っているケースでは、
たばこを吸っていない夫婦に比べ、受動喫煙によって、肺がんで死亡するリスクが28%アップすること
が分かりました。 さらに、脳卒中や心筋梗塞などの死亡リスクも20%以上高まることが明らかに
なりました。国立がん研究センターは、たばこを吸っていなくても、受動喫煙によって死亡する人が、
年間15,000人にのぼると推計しました。国立がん研究センターがん登録統計室長、片野田耕太さんは、
「受動喫煙の健康被害に関する議論がずっと続けられてきて、その結果、対策があまり進まなかった。
今回、健康被害について科学的な結論は出たので、世界に比べると、遅れてはいるけれど、ようやく
対策の議論がきちっとできるようになった。

受動喫煙の影響は、かねてから言われてきたが、今回は何が違う?

望月医師:2つありまして、1つ目は、何となく害があるんじゃないかというところから、はっきりと
「死亡」の形で表したこと。それから今、肺がん、脳卒中、心臓発作の3つの疾患が表題に出てましたけど、
それぞれ3割近くリスクを上げる。2つ目は、これまで言われてきたのは、海外の日本人のデータも
含めての評価はされてきて、10年前にもう議論は終わってたんです。ところが、日本人だけ特殊なんじゃ
ないかという考えも国内にあって、日本人の研究だけを取り出して、再評価をしてみたら、海外と同じ
結果が出た。


今回は日本人だけの結果だから確証があると?

望月医師:そうですね。だから、もう待ったなしの状況だというスタートラインにようやく立てたと。



『分煙では受動喫煙を防止できない


飲食店や鉄道車内で、目には見えない有害煙を人が吸いこんでいる事実を証明した画像
喫煙者との距離は、およそ2m。一見、煙は届いていないように見えますが、微小な粒子を可視化できる特殊な
レーザーを当てると、tabakoの燃焼によって発生したタールの微粒子が広がり、離れて座る相手まで届いているのが分かります。

「分煙では受動喫煙を防止できない」ことを立証している産業医科大学教授、大和浩教授

喫煙者の吐く息は非常に高濃度の有害物質を含み、周りの人に健康被害を与える


現在の分煙では受動喫煙を十分に防げないと訴え、健康リスクの拡大を危惧する 産業医科大学の大和浩
教授は、たばこから出る煙がどれだけ拡散するかを調査しています。 喫煙エリアが分かれていても、
歩く時にできる気流が煙を外に連れ出すことも分かりました。大和浩教授は「屋内でtabakoを吸うと、
その数メートルの範囲にいる人たちは、吐き出された煙を、そのまま吸うことになりますので、非常に高い
濃度の暴露を受けます。いったん部屋全体に拡散してしまうと、そこの空間に存在している人、みんなが
暴露を受けます。」


仕切りを設ければ屋内喫煙設備を許可するという発想は、現在なおも生きている分煙設備建設への
50%の政府補助金との整合性を図ったもので、このような非健康的な制度を温存させて、国際標準である
公共的施設全面禁煙化の完全実施を避けているのが厚生労働省原案です。すでに10年以上前に実施された
欧米、オセアニア諸国などの「国民を守る法的規制」からはずれ、国際標準に沿ったものでなく、問題
解決に繋がらない逆進性の強い分煙推進主張を大きく取り入れたものとなっている。



生き残りをかけるたばこ会社


 なぜ、国民の健康問題を取り上げた番組でキャスター杉浦友紀氏は公的報道機関であるNHKで、
加熱たばこアイコスの紹介を行う必要があるのか疑問。 タールを減量したから、それは安全だとは言えない



海外の国々では飲食店内などの全面禁煙が施行されており、今後の生き残りを模索、
たばこ販売会社としてフィリップモーリスでは紙巻きたばこからの転換を考えている


加熱式たばこは、タバコへの逆風が強まる中、たばこ会社の中には、この新製品を開発し、生き残りを
図ろうとする動きもあります。 火をつけるのではなく、電気を使って、タバコの葉を温める仕組みです。
フィリップ モリス ジャパンの発表では発売以来2年間で200万台を売り上げています。 客:
「タール?90%軽減みたいなことが書いてあって試してみようと思った。子どももいるので、その方が
いいかなと思って変えた。」一方、従来のタバコの生産を徐々に減らし、将来的には加熱式たばこの
販売に専念する方針ですと話す副社長井上哲氏は、 従来のタバコは吸えなくても、加熱式たばこで
あれば使用を認める飲食店も出てきました。 私どもが求めるのは、従来の紙巻きたばこのルールとは違う、
別の加熱式たばこのルールを作っていただきたい。」

加熱式たばこにおける受動喫煙の健康リスクは現時点でどこまで言える?

望月医師:実際に吸った方から出ているのは、ニコチンとかアセトアルデヒドなどの有害成分を含んだ
蒸気で、これは水蒸気ではありませんので、ニコチンの依存性もあり、決して害がないとは言えな
と思います。

ゴリさん:今日(NHKの?)スタッフが吸っていたので「やっぱり全然違いますか?」って言ったら、
「これ画期的ですよ。タバコの臭いつくの嫌じゃないですか。全く臭わないですよ、いいですか」って、
顔にフーッてやってもらって「あぁ全然臭わないっすね」って言ってたんですけど、僕、受動喫煙して
いたんですね。

望月医師:厚生労働省たばこ新ルール案は、2017年法案提出を目指すとされていますが、これから段階を
経て、受動喫煙の害、能動喫煙の害、やめられない方への対策などを講じていく中で、国民的な合意が
出てくると思いますし、それからビジネス上、影響のある方たちへのどういう保障があるのかということも、
これから熟議が求められると思います。それから何よりも選択できない人たち、そこで働く方たちとか、
選択できない環境に生まれる子供たちのために、大人が責任を持って、タバコの害のない世界を作り出す
第一歩だと思います。


『 WHO(世界保健機関)はどう見ている』


(L) 世界一のたばこ自販機を撮影するジュディス・マッカイWHO上級政策顧問 
(R) 屋外の公共地での喫煙所は世界にほとんど例がなく、進んだ取り組みと評価

次に訪れたレストランで、その評価は一変
この店では、たばこを吸わない客のために、喫煙スペースから煙がもれないようエアカーテンから煙を
外に出さないように下に風が出ていると説明

これに対し、「屋内では煙の拡散を十分に防ぐことはできない」と厳しい意見
WHOのジュディス・マッカイさんは「喫煙エリアの煙による影響を100パーセント防ぐには、竜巻並みのエネルギーが必要
『完全な分煙』など不可能と言い切る


2017年9月、日本タバコフリー学会で使用されたスライド(宮本順伯)


日本のたばこ対策は、世界でも最低レベルだと思います」
日本にとってオリンピックが開かれる2020年までの4年間に、たばこ規制を制度化することはとても重要な目標です (WHO)          

 
「分煙では効果ない」WHOが日本に全面禁煙を勧める根拠とは
・・分煙型の対策では受動喫煙を防止できないことは、2011年以前のスペインで実証済


A video created by WHO to stop tobacco-industry-interference campaign.
WHO製作:たばこ会社の不当な干渉を防げ:あなたはJTの巧みな罠に はまっていませんか?


 筆者コメント

政府の喫煙規制たたき台に賛成ですかと意見を募集していたNHKの「クローズアップ現代」で提案されている
規制内容についての特集番組が放映された。数多くの映像と専門家の解説などが紹介された。「新ルール」と
あるが、喫煙規制法律の存在しない日本では確かに新しいものかも知れないが、カリフォルニア州では20年前
からレストランでの全面禁煙が実施されており、2007年代には、ほとんどの国で公共的屋内空間での全面禁煙が
施行されている。決して目新しいものではない。


一匹狼の国' 口絵より引用--著者自身が自己の現地検証と複数の信頼できる資料をもとに作成
Copyright (C)2015 Junhaku Miyamoto All rights reserved.
「一匹狼の国」口絵より転載:画像は著作権法によって保護されています(複写転載禁止)


ワインレド色:
屋内全面禁煙を強いる国法がなく、制定に向け具体的な動きがない国で、日本と中国などが該当する
日本と違うことは、中国では全高速列車車内は完全禁煙、首都北京では全ての飲食店など公共的空間は全面禁煙に

 筆者が喫煙規制状況などを見聞し検証した国と地域


多くの日本国民はJTの分煙戦略に乗せられて、喫煙者にタバコを吸う部屋を設けて、それが最も
よい対策と思いこんでいた。たばこ会社は喫煙出来る場所が狭められるに従って禁煙意欲を掻き立てられ、
たばこをやめることが少なくなく、喫煙率の低下に直結していた。つまり、たばこを販売する立場では
厳しい喫煙規制はどうしても避けたい事項である。今回のNHK放送でも、かなり長い時間をかけて
JTの主張と、JTのテレビコマーシャルを流していた。何故に国民が支払いを強制させられている聴取
料金に支えられている公共の放送局が、有害と断定されていいるタバコを販売する会社の広告を無料で
放映するのか、その姿勢には、怒りの気持ちを超えて言葉も出ない。

また、キャスターの杉浦友紀氏は新型たばこ、加熱式アイコスを紹介していたが、公的報道機関が、
しかも、こうした健康問題を主題とした番組で行ってはならないことである。日本が海外とは異なった
規制をおこなった、その原点に「2004年にWHOたばこ枠組み規制条約に参議院、衆議院で国会承認し、
屋内全面禁煙を主体とする国際条約に署名していた」にも拘らず、これを完全に無視してきたこと。
さらに喫煙設備の整備費用として全費用の50%もの補助制度を設けて、世界ですでに放棄された
分煙制度を支援していること。舛添前都知事の下では、外国人旅行者のための喫煙設備に、なんと
80%もの経済的助成制度を発足させている。こうした事実を指摘することなく、飲食店などでの
規制問題を語ることは出来ない筈である。

喫煙規制先進国、オーストラリア保健省のデータによると、喫煙率の上昇ピークを抑えた政策はタバコ
関連の広報活動を禁止した1993年頃に始まる。その後、喫煙による健康警告が喫煙率の下降線を
継承した。2000年代に始まった飲食店内の全面禁煙の動きが喫煙率の下降線をさらに加速させた。
2005年頃に採用された健康警告とタバコ税の値上げは喫煙率の減少傾向を確かなものとした。2012年に
施行されたブランドのロゴ、画像表示を禁止したたばこ製品のデザイン共通化(プレーンパッケージング)
とタバコ税の更なる値上げは、国民の喫煙率を13%以下にまで押し下げている。日本政府財務省の喫煙
規制に対する消極的な態度とは正反対の政策である。

今回のNHK放送は問題の核心にふれることなく、どちらかと言うとタバコ擁護の姿勢が見え隠れした
バランスを欠く報道姿勢と感じ取った。WHOから日本の「受動喫煙からの保護」、メディアの報道
姿勢を対象とした「マスメディアキャンペ ーン」、JT分煙キャンペーン広告などが含まれる
「広告、販売促進活動などの禁止要請」の主要3項目の受動喫煙対策にて、「世界最低レベル」と
酷評されているにも拘らず、自らの姿勢を大きく変えることはなかった。とどのつまり、WHOの
評価の正しさを証拠づけたマスメディアが、喫煙規制問題を報じた「クローズアップ現代」とも言える。 

ジュディス・マッカイWHO上級政策顧問のコメントを報道しているが、これが偽らない世界基準に
基ずいた見解である。世界各地の喫煙規制事情を実際に見聞して来た筆者にとっても全く同感である。

禁煙席ネット主宰 日本タバコフリー学会顧問 医学博士 宮本順伯



意見広告を兼ねたJR電車内中吊りポスターCOPYRIGHT(C) 2015. JUNHAKU MIYAMOTO

『塩崎前厚労相は「喫煙規制の世界標準規制」に向かって奮励したが・・・』




塩崎厚生労働大臣は、宮本医師が「禁煙席ネット」の名刺を渡し、「 一匹狼の国 」の著者で
あることを告げると、興味深げに名刺を読み、笑みを浮かべて受け取られた。和気あいあいの、
その時のスナップ写真:

大臣は2020年のオリンピックで日本が最初の例外国となることを回避するため努力すると述べたが、
いろいろの人の意見を聞いて物事を決めねばならないとした。

2015年9月22日

塩崎厚生労働大臣は記者会見で、他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙の防止策を強化するため、
飲食店などの建物内を原則禁煙とし、違反した場合は罰金を科すことなどを盛り込んだ法案を、
通常国会に提出することを目指す考えを示した。塩崎厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で、
「平成20年以降、オリンピック・パラリンピックのすべての開催国では、罰則つきの受動喫煙禁止
措置を取っている。日本が今後、大勢の外国人を呼び込む中で『日本には受動喫煙はありません』
という国に変えていく使命がある」と述べた。

引用:NHK NEWS WEB 2017年1月13日
「飲食店売上変わらず」塩崎厚労大臣、受動喫煙対策で発言
塩崎恭久厚生労働相は3日の閣議後記者会見で、飲食店を原則禁煙とする受動喫煙対策に対して
飲食業界や自民党内で慎重論が根強いことについて、「海外では全面禁煙が多いが、導入前後の
売り上げの変化を論文などで見ると、大半は変わらないか逆に増えている」と指摘し、引き続き
理解を求める考えを示した。その上で、「五輪開催国で飲食業を受動喫煙禁止にしていない国は
近年ないことをよく周知したい」と述べた。 

引用:時事通信 2017年3月3日
理解得られるまで頑張る」 受動喫煙防止で塩崎恭久厚労相
超党派の国会議員でつくる「東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙防止法を
実現する議員連盟」(会長・尾辻秀久元厚生労働相)は3月15日、厚労省で塩崎恭久厚労相に、
飲食店などでの禁煙方針を堅持するよう文書で申し入れた。塩崎氏は「たばこを吸う権利と
弱い立場の人の健康を比べると、健康が後回しにされてきた。時間をかけて理解を得られる
まで頑張りたい」と応じた。 
引用:産経新聞 2017年3月15日

受動喫煙対策「屋内原則禁煙、譲らない」塩崎前厚労相  


2017年9月、日本タバコフリー学会で使用されたスライド(宮本順伯)
しかし、残念なことに、正しい信念を抱く大臣は、独善を重ねる分煙支持の安倍首相の盟友、
「タバコと肺がん」との関係を疑問視する、麻生財務相の影響も受けたのであろう、その座から解任された。


安倍首相と麻生財務大臣 (Huffpost )

代わりに、自民党たばこ特別委員長、「禁煙でなく分煙徹底で」と述べる鈴木氏がオリンピック担当大臣に、
分煙制度を容認し、たばこ献金疑惑のある加藤氏が厚生労働大臣が任命されている。
自民党議員控室は喫煙自由であり、そこで受動喫煙防止法令が審議されているのだ。
そのような野蛮な、非健康的行為を行う政治勢力が日本には今だに存在し、それを支持している国民も少なくない。


厚生労働省受動喫煙対策案と成立した法案内容
2018年1月 NHK報道内容「なぜ、受動喫煙対策は進まないのか」

日本医師会副会長に聞く」BuzzFeed News
タバコが認知機能に影響している可能性を示唆: 英文


  日本の対策『前世紀並み』「分煙は効果なし」 WHO
 ・・朝日新聞報道 2017





日本の受動喫煙対策は世界最低レベル
   厚生労働省白書  2016

  世界の49カ国では、学校、飲食店、公共交通機関などの公共の場で「屋内全面禁煙」とする法規制を実行
飲食店が全面禁煙となっていない国は日本と中国
  ただし、北京市と上海市では飲食店内は全面禁煙
 
2011年に分煙制度を廃止、鉄道車内を含め屋内完全禁煙としたスペイン
今の政府原案は、正式に誤りと認めた2006年のスペインの分煙制度とそっくり

屋内全面禁煙は唯一の選択肢:
新聞社社説などの情報一覧、学術団体要望書と意見
  JTの影響を強く受ける政府、マスコミ(新聞、雑誌、テレビ)
Japan urged to go smoke-free by 2020 Tokyo Olympic
   英国、TheGuardian紙が日本の現状を報道- アイルランドやオーストラリアでは次世代の社会に向け施策
  「マスコミのたばこ報道を強く非難:東京五輪「受動喫煙防止」の障害になっている」
日本禁煙学会表明 
 
列車内の喫煙室を上質の旅客サービスと考える(時代錯誤の)JR 東海、JR 西日本、近畿日本鉄道
Three major Japanese railway companies think that the smoking car and/or smoking booth
in a train are the superb service for train passengers.

 
2017年、JR西日本とJR東日本の豪華寝台列車に乗客の健康無視の)喫煙車両を新規製造
A new deluxe sleeper-train provides smoking vehicle.
堂々と喫煙車両を運行する健康無視の近畿日本鉄道
The railway company leading a passenger to health damage
 鉄道列車内喫煙を許している国は日本のみ
 今なお喫煙出来る車両を走らせている大手鉄道3社
日本における全室禁煙ホテル
English
 
規制強化するが「国際標準」からほど遠い、分煙支援の小池東京都知事
A new smoking ban in Tokyo Metropoltan area 2018
 世界基準に近づけるための東京都受動喫煙防止条例への提言
Recommendation to the Tokyo Metropolitan Government's Passive Smoking Prevention law to bring it closer to world standards

2018年5月 全国喫煙者率調査[日本]



男女平均 17.9% ( JT data )
男性喫煙率 27.8%
女性喫煙率 8.7%

2017年 喫煙人口(推計値)は110万人減少の1,917万人
2018年 喫煙人口(推計値)は37万人減少の1,880万人(2017年に比べ減少幅が小さい)

成人男性 29.0%・女性8.1%…喫煙率 (2020年公開版)
日本人、30代、40代、50代の
男性喫煙率は35%以上と極めて高い

外国からも指摘されているが、オーストラリア、北米、北欧諸国に比べ男性喫煙率が非常に高い
保健関係者は「
タバコ業界は、錯覚しそうな情報を流すが、教養のある人ほど惑わされない」と述べている

United States smoking ban 2021年、米国に於ける喫煙率は男性、13.1%、女性、10.1%
(英文)



朝日新聞意識調査 2017



飲食店内完全禁煙(83.7%)

喫煙可、分煙、禁煙別を店舗が選択し店頭表示(9.2%)
空調設備を設ける分煙(5.5%)


路上全面禁煙(61.0%)
指定場所以外では喫煙禁止(32.8%)
屋外では喫煙規制なし(2.7%)

歩きたばこ禁止、立ち止まって喫煙(2.7%)

投票性別:男性、61.8%、女性、36.6%
引用:朝日新聞意識調査、2017年3月31日ー4月11日 公開実施
朝日新聞意識調査「意見」および詳細表示


(追記公共放送、NHKには、公共の福祉に関し、公正な判断をすることが出来る広い知識と経験ある
スタッフから構成されねばならないし、一定のバランス感覚をもって報道することが必要欠くことの
出来ない条件とされています。しかし、今回の放送は、JTなどのたばこ会社の主張に多くに時間をさき、
民間放送では有料で流している「JTの分煙推進広告」をNHKで放映したことなど、著しくバランスを
欠いた番組内容であったことなどから、「ステマ」=「企業が消費者を偽装して宣伝を行う卑劣な行為」では
ないかと指摘する人もおります。


 
分煙推進で洗脳行為するたばこ産業

その理由に次の事実が挙げれます。2016年6月に、絶大な権限を持つNHK経営委員長代行に JT(日本たばこ産業)顧問の
本田勝彦氏が就任したこと。そして、この委員の心に残った番組には「クローズアップ現代」が挙げられていることなどです。


NHK 2018 Report 
こちらもご覧ください



書籍紹介



日本と海外のホテル、飲食店など公共的屋内施設の禁煙設定について記載した最新現地情報
受動喫煙問題を勉強するすべての人に 受動喫煙防止法作成検討者 必読のハンドブック
 完売


NHK「クローズアップ現代」を見て
引用:NHKクロズアップ現代、2016.12.14
2016年12月執筆 NHKの放送内容を参考としていますが、編集し直して意味する内容を変えることなく
表現の一部を書き改めております。
 「一匹狼の国」著者 医学博士 宮本順伯
リンクは自由
Picture source: NHK TV December 14, 2016
The article was written in December 2016, and revised in July 2018, by Junhaku Miyamoto, M.D., PhD.

Copyright (C) 2016 Junhaku Miyamoto, PhD. All right is reserved.


宣言   2018年11月22日 宮本順伯

自己の健康を守るため、飲食店は必ず全席禁煙の店を利用、
どのような状況でも時間分煙完全分煙の店は利用しません
ホテル、旅館は原則全室禁煙のところに宿泊します。




「ニュース9」2018年1月30日放送内容


Smoke-free Hotel and Travel
受動喫煙防止条例  屋内全面禁煙  屋内喫煙設備撤去 鉄道車内完全禁煙  レンタカー レストラン バー 飲食店 ホテル 空港 喫煙規制
Restaurant hotel railway rent-a-car travel airport condominium smoking ban
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