カナダから東京へ荷物発送


1974年、カナダから東京への荷物発送時のこぼれ話である。自家用車を含む家庭用荷物の輸送に関し、
未だに経験したことのないため、そう簡単にはことは進まなかった。引っ越し荷物の見積もりの最初、
「クレートの大きさは一定だから、それを入れても、入れなくとも同じ値段」とのことで、利用価値
の少ないものまでも含めました。梱包の際は「他にありませんか、まだいくらも入りますよ」と
言われたので、壊れたおもちゃ迄入れたところ、支払いの段階で、荷物が大きく、重いので、200ドル
余分にかかり、輸送費、1451ドルと、保険料、100ドルを請求されました。余りにも話が違うので、
苦情を言うと、「今更、荷物の量を減らす場合、減らす部分だけ手数料がかかるので、結局同じ」と
返事され、これでは雲助みたいと憤慨しましたが、荷物は向こうの倉庫にあるし、仕方なく、1551ドル
支払う羽目となりました。「支払い分を取りにに来てくれ」と言うと、「トラックのドライバーを
銀行近くまで行かせるから、駐車場のところで小切手を渡して呉れ」と言われました。まるで、密輸品
の裏取引をしているようで、本当に最後まで後味の悪い思いをしました。渡された受領書も本物では
なく、コピーでした。

今では全く考えられない取引の実態でしたが、やはりきめ細やかなサービスの点では日本は最高と
思いました。こちらの人には粗雑さが目立ち、人情の細やかさにも欠けております。ちょっと会った
時には愛想もよく外交的ですが、自分の利益に結びつかなかったり、自分の考えと違ったりすると、
がらりと態度を変えます。一般的に、カナダ人には人種差別はないと思えますが、自分の下で働く
場合に言えることで、自分と対等になったり、上になったりすると、大きく態度が変わります。
同じようなことは、米国でも、ヨーロッパの白人社会でも、何回も体験しております。誤解のない
ように加筆すれば、本当に親身になって親切にしてくれたカナダ人やアメリカ人も多く、これらの
人々には、とても感謝しております。

引っ越し荷物は日本向け、トロント経由で、モントリオールから、Neptune International Shipping
Ltd.から発送されました。1,116 キログラムの重さでした。保険金でカバーされる上限は、5,000ドル
ですが、果たして支払ってくれるのか不安感を残しましたが、乗りかかった船で、ただ、無事に東京の
自宅まで届くことを願うばかりでした。帰国後に荷物を受け取り確認したところ、チークのチェスト
に多くの傷が目だったのでクレーム請求し、相応の保険金が支払われました。

Vancouverから船で送付した 1973年型 Oldsmobile 新車


自分が買い求めた、オールズモビル・ステーションワゴンの新車の輸送費は意外に安く、1,216ドルで
した。関税に35ドル、保険料が60ドルでした。結局、この車でカナダ・ロンドンから旅行、シカゴ経由、
アメリカ、カナダ大陸を越え、大平洋岸のアラスカに近いプリンス ルパートにまで北上、その後に
南西に向きを変え、バンクーバー市に到達、ここの船会社、Johnson Fowarding Co.で横浜まで輸送
する手続きを行いました。結局、オールズモビルは2週間後に無事に横浜港に着き、放電しバッテリー
切れの心配はありましたが、なんとかエンジンを始動させ、私の運転で都内の自動車整備工場まで運び
込みました。今までは専ら右側通行で過ごしてきたため、途中、慣れない左側通行には恐怖感さえ感じ、
かなり神経をすり減らしました。整備工場では、当時の日本の法律に従い、サイド側ののターンシグナル
ライトを潰し、横向きステンレス製排気マフラーを後方排気の普及品と交換して、大きく改悪せざるを
得なかったのが非常に残念でした。

宮本順伯 1974年 記述
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Daily

2023:
90 年の人生を振り返った時、懐かしく思い出されるのは、若かりし頃の思い出である。
一見、常識を越えた発想があり、それを 実行するだけの活力があった。特に20歳代は、
見るものすべての感受性が豊かで積極的、高年の世代でのそれとは、とても比較できない。
国内で医師として毎日を、診療に明け暮れする生活を繰り返し、老後に引退するだけの
人生が、満足できるものかを問われた時、答えは見つからない。人生は一度だけのもの。
悔いのない一生でありたい。




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