米国、週末旅行日記 1961 |
春の週末(土日)を利用して首都ワシントンから南下、ノーフォーク、バージニアビーチへ自動車旅行した。
ニューポートニュースに来た時には、夏のような暑さに見舞われたが、白鳥の戯れ見ていると、時の経つ
のを忘れてしまう。海底トンネルを通り米国有数の海軍基地、ノーフォークを過ぎ、バージニア州南東部の
沿岸都市、バージニアビーチは、チェサピーク湾が大西洋と出会う場所にある。まだ寒さの抜けきらない
ワシントン市街から南に車を走らせ、うららかな田園風景に到達した時の喜び、それは全館冷暖房の病院
から解放され、ぽかぽかとした春の息吹と澄んだ海風に心の安らぎを覚える。海辺には、子供たちが凧を
あげて楽しそうに遊んでいた。
(L) Virginia Beach and Newport News (R) Appalachian mountains
翌週の週末には、アパラチア山脈に向かう。アパラチア山脈と言っても、丘の連続と表現するのが適切で、高い山は
存在しない。しかし、3月にまだ残雪が見受けられるところがある。ワシントン在住中は、よく日帰り車旅行の場所
となっており、馴染み深い場所だ。テネシー州、ノースカロライナ州に広がるロアン山の ロードデンドロン
( シャクナゲ ) の咲き誇る様は、特に素晴らしい。公園の設備は良く行き届いていて、丘の頂上には螺旋形の
見晴らし台を作っており、眺望を助けている。外国人は、こんなところには来ていないようで、皆からは物珍しい
目で見られている。
(L)The entrance of Shenandoh National Park (M) Parkroad on the hill (R) Wild flowers
(L)Map of Blue Ridge Parkway (R) Deer seen at roadside
8-mm film video: 1961 DC vicinity and Shenandoah National Park drive
コダックが発売した極めて初期段階のカラー8ミリフイルムを使用、
運転中は左手に車のハンドルを、右手に8ミリカメラを持って撮影しています
撮影技術は未熟
picture source: postcard
週末の休暇を利用して、ニューヨーク市に向かう。途中利用した高速道路、ペンシルベニア・ターンパイクは、
1960年代に4車線道路に進化した。ピッツバーグでは火焔をあげて燃えさかる溶鉱炉を間近かに見ることが
出来た。巨大なピッツバーグ大学の建物はとても印象的であった。
1961 Auto trip along US Interstate 70
コダックが発売した極めて初期段階のカラー8ミリフイルムを使用、
運転中は左手に車のハンドルを、右手に8ミリカメラを持って撮影しています
撮影技術は未熟
picture source: postcard
ニューヨーク市に着いたとき、市内の建物には、厚いつららと薄く積もった雪が見られたが、雨に見舞われ、色とり
どりのネオンで輝くタイムズスクエアでカラー8ミリビデオを撮影した他あと、同行したシリア人医師の知り合いの
病院に泊めてもらった。夜はイタリア料理、翌日昼にはアラビア料理をふるまわれた。日本料理に比べ、とても
しつこい味で閉口しましたが、なんとか食することが出来た。首都ワシントンとは異なり、足にぴったりフィットした
ジーンズと裾を上げたオーバーを引っ掛けた若い男女が、夜遅くまで軽料理店に座り込み、キャーキャー騒ぎまくって
いる光景をよく見かけました。
8-mm film video: 1961 Auto Trip to Atlantic City, and Manhattan, New York
8-mm film video: 1961 Radio City Hall, Broadway in Manhattan, New York
コダックが発売した極めて初期段階のカラー8ミリフイルムを使用、
運転中は左手に車のハンドルを、右手に8ミリカメラを持って撮影しています
撮影技術は未熟
帰路はガーデン・ステイト・パークウエイを南下、大西洋に面した海岸、アトランティック市に寄り道し、ボルチモア
からワシントンまでは、ワシントン・ボルチモア・パークウエイ経由して戻りました。パークウエイは名前の通り、
公園の雰囲気を兼ね備えた高速道路で、道路両側か対向車線の中間に大きな植樹帯と芝生が広がっています。丁度、
公園を散歩するようにドライブ出来るのです。標識も掲げられておりますが、鹿やウサギの飛び出てくることもある
ようです。高速道路は、日本のものと異なり、非常に美しく、科学的に建設されています。時速130 Km で走行して
も車が振動することはありません。
(L) Trip route (R) Parkway pictures:picture source: postcard
小旅行を通じ、有料道路、長い橋、トンネルによく出会いました。ニューヨーク・ニューワーク間の水底トンネル
料金は50セント(1ドル、360円)、ノーフォーク・ハンプトン間の海底トンネル利用料金は、1ドル25セントです。
市街の駐車料金は、30分、50セントのところが多いのですが、午後4時まで駐車可とあれば、4時になると同時に
車は消え失せ、規則がよく守られています。もっとも交通警官が頻繁にパトロールしていて、3ドルの課金と減点を
課すせいもあります。しかし、ワシントンでもニューヨークでも郊外のバス発着所に無料駐車場を設けて、市内へ
の車の流入を抑制、バスの利用を促がしています。しかし、日常の買い物を市内でするする必要はなく、郊外には
2000台以上が駐車できる、立派なショッピングセンターが出来ています。白人層の利用が多く、子供たちは私を
見て、チャイニーズと言います。
AAA会員証
旅行者に便利なのが、アメリカン・オートモービル・アソシエーション (AAA)です。会費21ドルの内訳は傷害保険、
パンクの修理を含む路上サービス、無料旅行案内、例えば詳細な道路地図、名所旧跡、公園、遊園地などの案内書を
提供してくれます。道路地図には、現在工事中のところ、迂回路、距離数、所要時間、ラジオ波長数なども記載され
ています。モーテルの宿泊料金は、もし記載金額以上を請求された場合は、協会で払い戻すという権威あるものです。
なお、旅行に関して、今は亡き両親、姉夫妻などから多くの生活用品や写真機器などを、日本からお送り頂いており、感謝の念で一杯です。
有難うございました。
宮本順伯 1961年3月 20歳代後半の時記述
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Daily 1960-1963
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East Coast trip New York express train New York auto-trip Mackinac Bridge Chicago life Chicago friends
Florida travel 1962 16,000km great trips throughout US and Canada Summer camp Denali National Park
Daily 1972-1974
London University Hospital Moosonee London life and Florida trip 1974 Return trip to Tokyo
Daily
2023:
90 年の人生を振り返った時、懐かしく思い出されるのは、若かりし頃の思い出である。
一見、常識を越えた発想があり、それを 実行するだけの活力があった。特に20歳代は、
見るものすべての感受性が豊かで積極的、高年の世代でのそれとは、とても比較できない。
国内で医師として毎日を、診療に明け暮れする生活を繰り返し、老後に引退するだけの
人生が、満足できるものかを問われた時、答えは見つからない。人生は一度だけのもの。
悔いのない一生でありたい。
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