シカゴ交友日記 1962

［左］1961年当時のマイケル・リーゼ・ホスピタル医学センター［右］Lakefront Trail-Grant Parkからシカゴ建物群を展望

ここマイケル・リーゼ・ホスピタル医学センターには、私を含め5人の日本人医師がおります。一人は
京都大学小児科出身の方で、この病院のフェローで、奥さんはホームシックはによるノイローゼで、
子供と共に二か月前に日本に帰りました。もう一人も小児科医で北海道大学のフェロー。奥さんは
アメリカ人看護婦で、おとなしい家庭的な方で、ひと月前に初めての子供を授かりました。隣の
アパートに住んでいて、時々訪れていろいろとお話したり、ご馳走になったりしています。今年の
夏に札幌に帰り、１年間ほど滞在の後にアメリカに戻って、夫妻ともにアメリカ人として定住する
そうです。もう一人は名古屋大学外科の方で、フルブライト研究生です。奥さんと一人の子供さんと
住んでおりますが、奥さんは妊娠７か月です。来年3月に帰国し名古屋大学の講師に就かれるそうです。
もう一人もフルブライト研究生、在日米海軍横須賀病院でインターン終了後、病理学のレジデント
医師として働いています。日本にいた頃苦労されたらしく、料理がうまく、私の部屋に来て料理を
作ってくれ、この間は美味しいすきやき、カレーライス、スパゲティなどで楽しませてくれました。

Hospital staff： 2023年には80歳代か
［注］撮影後50年以上経過しているので顔などにモザイクをかけないで公開可能と判断

フルブライト留学生のうち、医学関係者はアメリカ人女性と結婚する人が多く、家族単位で生活することが
優先する社会で独身で留まるものは社交上不利になることもあります。白人の女性は若いときは実に奇麗で、
すんなりとした体格と細やかな感情を持っているので、本当に魅力的です。一方、フルブライト歓迎会で知り
合った二人の日本人女子学生を車で、黒人居住地のシカゴ南部などを案内したりしましたが、話が全く合わず、
その後、会っておりません。フランスからの検査技師、ユーゴスラヴィアからの医師とも少し交際しましたが、
ヨーロッパからの留学生や米国人学生とは気が合うのは、考え方が合っているためでしょうか。こうした背景も
あり、時には日本に帰国して生活するのが良いのか、アメリカに永住したら良いのか、悩むこともありました。
しかし、ここで大きな影響を与えたことは、信じる宗教の違いと、登録制とは言え銃規制がゆるく、憲法に
保障されている銃容認社会でした。

　　
［左］2008年撮影のPrairie Shores Apartments ［中］雪に覆われたアパート前の駐車場［右］1961年のマイケル・リーゼ・ホスピタル医学センター

2008年撮影の改築後のマイケル・リーゼ・ホスピタル医学センター

宮本順伯 1962年1月　20歳代後半記
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Daily 1960-1963
Washington Hospital Center US Interstate Highway 1960-　 Cherry blossom festivals Indianapolis Weekend travels
East coast trip New York express train　 New York auto-trip Mackinac Bridge Chicago life Chicago friends
Florida travel 1962 35,000km great trips throughout US and Canada Summer camp Denali National Park

Daily 1972-1974
London University Hospital　 Moosonee London life and Florida trip 1974 Return trip to Tokyo

Daily

2023:
90 年の人生を振り返った時、懐かしく思い出されるのは、若かりし頃の思い出である。
一見、常識を越えた発想があり、それを実行するだけの活力があった。特に20歳代は、
見るものすべての感受性が豊かで積極的、高年の世代でのそれとは、とても比較できない。
国内で医師として毎日を、診療に明け暮れする生活を繰り返し、老後に引退するだけの
人生が、満足できるものかを問われた時、答えは見つからない。人生は一度だけのもの。
悔いのない一生でありたい。

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