米国、カナダ大旅行記 1962

1962年7月2日、豪雨の中、長期に渡る自動車旅行に出発した。先ず北へ進路をとり、ウィスコンシン州に
入り、インデイアンダンスを見た後、ミネソタ州に進む。傍らには美しい湖が次から次へと現れる。7月4日
は独立記念日、ミネアポリスでは沢山の花火が打ち上げられていた。更に西に向かい、ノースダコタ州に入る
と、ポンプジャックと呼ばれ上下に動き原油を汲み出す光景に出会う。この頃からは快晴の日が続く。

8-mm film-video:
Drive from Minneapolis to North Dakota in 1962 (15分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

(L) 寒さの厳しい地域での7月初旬の服装 (M) 田舎のお祭り (R) NorthDakotaの油田

モンタナ州、氷河国立公園入りしたのは7月7日、今まで目にしたことのない山々の雄大さに圧倒される。山肌を切り
開いて開通させた Going-to-the-Sun Road はセントマリー湖からウエスト・グラシアを結ぶ、本当に素晴らしい
山岳道路で、途中停車した車の下にモルモットが座り込み、エンジンの発する熱にご満悦な場面もあり、崖から道路に
吹き落ちるシャワーのように流れ落ちる流水を浴びて車を洗う。あの白雪を抱いた岩山は今でも瞼に残っている。

8-mm film-video: 1962 Glacier Park and great mountain nature world
氷河国立公園 Montana, US (15分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

Glacier National Park, Montana, US 1962

氷河国立公園を堪能したあとは北に隣接するカナダ国境を越えて、ウオータートン国立公園を訪れる。

Waterton Lake National Park, Canada

7月9日からはアルバータ州カルガリー市に入る。カルガリースタンピードで沸き返った沿道の群衆は、会場に
向かって連なる車のライセンス・ナンバーを大声で読み上げて歓迎する。西部男の暴れ馬乗りこなし競技会、
カウボーイハットを被って踊るロックンロール、二日間かけて開催されたお祭りは本当に素晴らしいものだった。

Calgary stampede 1962

8-mm film video: 1962 Calgary Stampede 50th Anniversary
カルガリー50周年記念パレードとスタンピード (21分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

西にコースをとり、ロッキー山脈国立公園群に向かうが、野生動物の宝庫でもある。早速、熊やヘラジカ、山羊
の群れに遭遇する。アルバータ州、バンフ国立公園のスキーリフトに乗って前方の山々と、湖、そして街並みを
眺望した。リフトの終点付近では商業写真家が一コマの写真を撮り、1か月後に送られて来たが、とても良い記念と
なる。近くには、エメラルドグリーンの湖をレイクルイーズがあり、湖畔のホテルの庭には美しい花々が咲き誇る。
西の山間にはクートネイ国立公園のラジウム温泉があり、多くの人々をが水着でプールに楽しい時を過ごしている。
分岐点のバンフ国立公園を少し北上すると、ロンビア大氷原がそこに広がり、戦車のようなキャタピラ付きの
氷上車が動き回っている。そこから溶け出した水は三分割され、大平洋、大西洋、北極海へと流れ出る。山々に
囲まれた素晴らしいハイウエーを更に北上したところにあるのがジャスパー国立公園である。

8-mm film video: 1962 Mountain goats and bears in Banff and Kootenay National Parks
バンフ国立公園・クートニー国立公園のラヂウム温泉と野生熊 (25分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

(L) Columbia icefield (M) Banff lift top (R) Lake Louise 1962

今となっては、どの道かはっきりと記憶にないが、大きくショートカットすべく、地図には点線で記載されていた
草に埋もれ荒れた道路を南下した。車中で一泊、早朝の出来事であったが、突如として、何と体長1.5 メールを
超えるのピューマ★が車のボンネットを飛び越えたのだ。全く予期していなかったことだったので、その後少しの間、
体の震えが止まらなかった。地元の人に、このことを話しても、この地でもピューマは極めて珍しいとのこと
と話された。更なる驚きは、湖に面して少し崩れかかった崖道を通過した直後、通ってきた道路の大半が湖側に崩れ
去ったのだ。今考えると、正に無謀ともいえる冒険の連続であった。ちなみに丸一日、この草むらに埋もれた道で
対向車に、ただの一台たりとも出会うことはなかった。

Puma ★ picture source: Springer Nature America, Male weight up to72Kg, Maximum speed 80km/hour

Vancouver 1962

1962 年に撮影された 8mm カラー動画です。サイプレス州立公園から始まり、ライオンゲートブリッジ、スタンレーパーク、
プロスペクトポイント、砂浜、バンクーバー水族館などか記録されています。バンクーバーは、カナダで 3 番目に大きな都市です。(８分 )

さらに車を西に進め、カナダ第三の都市、大平洋岸のバンクーバーに到着した。街からは、北に白雪を抱く山を望み、
市内には、内海に面した原生林も残るスタンレー公園と海水浴の出来る砂浜もあり、花々が咲き乱れている一方で、
モミジが赤く色づいているという多様性を持ち、バンクーバー市民の憩いの場となっている。当時は日本人が
極めて珍しかったせいか、この地では、私は「船員か」と聞かれたし、モンタナ州では「どこの学校か」と学生と
思われたし、「百姓か」、「漁夫か」と聞かれた地域もありました。どう見ても医師には見えなかった様です。

Victoria, B.C. 左上の写真：1974年撮影　他は1962年撮影

8-mm film video: 1962 Victoria, British Columbia, Canada: Edited in 2024
ブリティッシュコロンビア州議会議事堂のあるビクトリア市を映したものです。色とりどりの花で飾られたビクトリア港、世界一高い自立型
トーテムパイル、トランスカナダハイウェイの 0 マイル標識、コルドバ湾、ビーコンヒル公園の日時計を含みます。
市制施行 100 周年記念式典が開催されたダンスとバンド演奏の行進をお楽しみください。(14分)。
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

バンクーバーからフェリーボートでブリティッシュコロンビア州の州都、ビクトリア市に到着する。港一面が花で
飾られ、正面に古風な建物、Fairmont Empress Hotelがある。ここは気候の温暖なことでも知られ、多くのカナダ
人が引退後に住むところとしても知られている。そこで、開催されていたスコットランドのハイランドダンス大会の
様子をカラー8ミリ動画に収めりことが出来た。フイルムの交換時には、イギリス系と思われるお年寄りの方が、
親切に日陰を作って協力してくれたことなども嬉しい記憶として残る。ビクトリア市には、カナダ大陸横断道路、
Trans-Canada Highwayの起点［０点］の標識のあることでも知られている。

Seattle World's Fair: 50th anniversary commemoration

8-mm film video: 1962 The Century 21 Exposition: Seattle World's Fair
1千万人近くの人が訪れたシアトルで開催された世界博覧会 (22分)
撮影者は数百人の見守る壇上で、新たに開発されたファックスのデモに指名され称賛された
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

Salish Seaを横切って、米国ワシントン州に再入国、シアトル市で開催されていた50周年万国博覧会を訪れた。訪問時は
たまたま日本週間であったこともあり、会場には両国の国旗が並んで掲揚されていました。盆踊りを見て、日本人が設計
したという大噴水のしぶきを浴びながら、何年ぶりだろう、緑茶をすすり、天丼に舌ずつみを打ちました。当時開発された
ばかりのファックスのデモンストレーションに駆り出され、壇上に登り、漢字、カタカナで送信実演し、集まった大群衆の
前で拍手喝采され、恥ずかしさから穴にも入りたい気持ちでした。

Mt. Rainier Natipnal Park 1962

8-mm film video : 1962 Mount Rainier National Park
レーニア山国立公園として、その美しさと自然の豊かさを誇る (10分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

シアトルを後に向かったのはワシントン州、レーニア山国立公園です。旅行前に想像していたものとは異なり、本当に
素晴らしい場所でした。万年雪のもと残雪も多く、Glacier、氷河の形成した洞窟から流れ来る川の水は手を切るように
冷たく、青白く、極地の氷のなかにいるようでした。雪の斜面をお尻で滑り降りる醍醐味は格別で、レーニア山を背景に、
乗馬している人々が川に架けた木橋を渡る姿は、絵画そのものの姿でした。

8-mm film video : 1962 Olympic National Park, Sea coast of Oregon
オリンピック国立公園とオレゴン州大平洋岸 (16分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

(L) Sea coast of Oregon : Source Wikipedia(R) Horse riding on the Oregon Beach 1962

その後に訪れたのが深い森の連なるオリンピック国立公園で、豊かな渓流を通り大平洋岸に沿い南下しました。
大平洋に面した海岸では、長い長い白い波の砕けるている海辺に巨大な岩塊が点在し、カモメが沢山飛び交わしており、
それが霧の流れに包まれて消えて行く、そんな中、急に数人の人が馬にまたがって現れたりします。ここはオレゴン州、
そこに繰り広げられる風景には神秘的な美しさがあります。こんなこともありました。海岸沿いで昼寝をしていたら、
いつの間に満潮となり、膝上まで海水に浸かりながら急いで避難したことです。大平洋の波の砕け散る洞窟の岩場には、
Sea Lion Cave があり、何百頭というアシカがそこに生息しています。岩の上に座し、波のしぶきを楽しむもの、
波にもまれながら泳ぐものなど、その生態は様々です。

8-mm film video: 1962 Sea Lion, Crater Lake and Lassen Volcanic Parks
オレゴン州の太平洋岸のアシカ集団生息地、オレゴン州のクレーターレイク国立公園、カリフォルニア州のラッセン火山国立公園 (14分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

Sealion in Oregon 1962

米国人は計算に弱いことが多く、あるガソリンスタンドでお釣りが1ドル少なく、次のスタンドでは50セント余分に
渡されたりしました。今なら、全部クレジットカードで処理するでしょうから、こうした事はないでしょう。ここ
数日間、パンクが続発し修理を繰り返していたので、100ドルでタイヤを新しく取り付けました。車のメンテナンス
点検を待つ、一、二時間、米国の片田舎での出来事でした。どの町であったかは記録されていないが、墓地に入って
見たものは、［日本軍との戦いで戦死］と記された墓標であり、無謀な大平洋戦争の痕跡を目にして、大きな衝撃を
受けたことでした。

更に東へ進み、内陸に入り、クレーターレイク国立公園を訪れる。ここは火口湖で知られており、湖の深さは
594メートルで、米国でも最も深い湖とされており、そこに出入りする川はありません。湖水の水の蒸発分は
降雨と降雪によって相殺されるとされています。

(L) Crator Lake National Park 1962 (R) Lassen Volcanic National Park: mud pots

カリフォルニア州北部の山頂に白雪の残る美しいシャスタ山脈を左手に見ながら、ラッセン火山国立公園に行き
ました。ここは熱水地帯で、泡立つ泥のポットが数多くあります。今でも記憶していることは、途中、10セントで
買い求めたサンドイッチが実に美味しかったことでした。そして、サンフランシスコ近くの学園都市、バークレー
のモーテルに一泊、予めここの住所宛に東京から送られてきたビデオズーム機器を受け取りました。

　San Francisco

8-mm film video: San Francisco in 1962
1962年に動画撮影したサンフランシスコの街などです。ドライブしながら Lombard Streetを撮影するのは非常に難しい (27分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

　Lombard Street , San Francisco 1962

もう、シカゴから12,200キロも走行しています。翌日、サンフランシスコの地を踏み、1960年6月に霧に霞む
金門橋の橋下を、横浜からの客船、プレジデント・クリーブランド号で潜り抜け、初めて米国本土を踏んだ記憶が
鮮明に蘇って来る。シスコには霧の日が多い。しかし、午後の数時間の間はすっきりと晴れ上がり、美しい街並み
が浮き出て来る。街を俯瞰するため、初めて遊覧ヘリコプターに乗る。金門橋と港湾設備、海辺に広がる大きな
公園がすぐ真下に見えていた。坂の多い都市だが、住宅地のロンバートストリートには、有名な曲がりくねって
いる坂があり、映画のワンシーンとして知られていることから、多くの観光客がくねくねと車を連ねて降りて行く。

Yosemite National Park 1962

車を南に走らせて、巨大な岩山がいくつも聳えるヨセミテ国立公園を訪れる。ここでは、岩山から沢山の滝が
流れ落ち、岩山に囲まれた高原の村は、多くの観光客で賑わっている。公園内にはホテル、診療所、郵便局など、
小規模ながらあらゆる必要施設が整備されている。他と違った大衆化が、ヨセミテ国立公園の一つの特徴とも
思える。今は廃止されているが、真っ暗の夜の断崖から石炭で燃やした火の塊を落として、火の滝を演出したり
するのも、その一例だ。

8-mm film video: 1962 Abolished Fire Falls at Yosemite National Park (07分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用
ヨセミテバレーの南壁の標高2199メートルの場所にあり、カリー・ビレッジの直上、975メートルにあたり『火の滝』の投下地点でもあった。
『火の滝』は国立公園の自然とは相反するとの理由で数年後に廃止され、他の動画記録は残っていない

更に南へ移動、セコイヤ国立公園に入る。ここは巨木の森と地球上最大の木のあることでも知られている。

8-mm film video:1962 Sequoia National Park, California
地球上で最大の巨木、シャーマン将軍の木など巨木の森 (07分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

ロサンゼルスは南カリフォルニアにある大都市で、アメリカの映画産業やテレビ産業の中心地である。丘の上に立つ
有名な［HOLLYWOOD］サインの近くには映画スタジオもあり、ハリウッド大通りにあるチャイニーズシアターには、
有名スターの手形や足型が刻まれている。高いヤシの木の並ぶハリウッドの街路を走り、映画俳優たちの家々を含め、
時間をかけて高級住宅地をゆっくりと見て回る。

8-mm film video: 1962 Pacific Coast of California and Los Angeles
ロスアンゼルスやサンヂアゴを包括したビデオ画像です (31分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

ロスアンゼルスを更に南下し、海軍基地のあるサンティアゴ市を通り、メキシコとの国境まで走行した。しかし、
査証が必要なため、その先、入国出来ず米国側にＵターン。この国境が今回の旅行の最西南端でした。
サンティアゴ市には美しい花々とヤシの並木が多く、スペイン風の寺院も多く、温暖な気候の地でもある。

その後、進路を東北に変え、かっては世界第一と称した、ネバダ州とアリゾナ州との境界にあるフーバー・ダムを
訪問、あの乾ききった厚い湖畔で飲み干した瓶コカ・コーラの味は本当に絶妙で、とても忘れることは出来ない。

(L) Hoover Dam 1962 (M) writer at Dam in 1962 (R) Hoover Dam:Source: Wikipedia

この地を十分に満喫し、巨大ダムから60キロ離れたラスベガスへ向かう。アメリカ第一の公認賭博場で、夜のネオンサイン
の華やかさ、豪華さは卓越しており、カネに取り付かれた人々で、ごった返していました。今まで映画の世界にあった現場に
入り、その光景を見ることが出来たのは幸運でした。それにしても、建設現場で働いていた労働者の顔と、賭博に明け暮れする
ギャンブラーの顔との違いは明白でした。

Las Vegas 1962

8-mm film video: 1962 Las Vegas, Grand Canyon, cactus desert in Arizona
ラスベガス、グランドキャニオン国立公園、フェニックス、メキシコ国境近くのサグアロ国立公園を含む (30分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

ユタ州の高原地帯に入る頃、暑さも和らぎ、標高 3,000メートルの野原に、沢山の羊、馬、牛が草をむさぼっていました。
顔が似ているためか、土地の人たちも親しく接してくれ、久しぶりに寛いだ気分になる。この地域には、ザイオン国立公園、
ブライスキャニオン国立公園などがあり、無数の奇岩、小山があり、それらが夕日を浴びて黄赤色に輝いて、くっきりと、
その影を投影していましたが、本当に素晴らしい景観です。

Bryce Canyon National Park 1962

8-mm film-video: 1962 Zion and Bryce Canyon National Parks, Utah
ブライス・キャニオン国立公園は、米国ユタ州南西部に位置、侵食によって出来た巨大な自然の円形地形 (25分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

アリゾナ州南部からニューメキシコ州を経てコロラド州南西部、メサベルデ国立公園に来る。そこには保存状態の
良いプエブロの崖の住居、特に巨大な崖の宮殿があり、古代インデイアンと日本人の先祖との類似点を改めて認識する
ことが出来た。

　Mesa Verde 1962

8-mm film-video8-mm film video: 1962 Mesa Verde National Park, Colorado
メサ・ヴェルデ国立公園は、プエブロインディアンの残した断崖をくりぬいた一連の集落遺跡群 (15分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

Longs Peak at Rocky Mountain National Park 1962

ここコロラド州の高原の白樺の葉も秋の色を含んで来ており、山の頂きに初雪を見て、いよいよ私の旅行も夏から
秋への世界に入って行きました。

コロラドスプリングでは、標高4,301メートルの頂上まで鉄道で登りました。有名なスリリングなロードレースも
ここで開催されるため、道路は整備されているが、高山登山へのエンジンへの過剰な負担を避けるため、車の使用を
諦め、パイクス・ピークの登山鉄道を利用した。山を登るにつれ次々と下界の視野が広がって行くが、9月というのに、
山頂はすべて氷で覆われ、そこは1秒たりとも、じっと立っていることの出来ない極寒の世界でした。

8-mm film video :: 1962 Drive through National Parks in Colorado (23分)
コロラド州の高原にある国立公園などを撮影。パイクスピークコグ鉄道の山頂終点は標高 4,300 メートルで、夏でも氷原があり非常に寒い。
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

1962

8-mm film video : 1962 Mount Rushmore Memorial and Badlands National Monument in South Dakota
サウスダコタ州南西部のカスター州立公園は、ヘラジカ、シカ、バッファローが沢山生息しています。
ブラックヒルズにある山には、4人の歴代合衆国大統領の巨大な彫刻が彫られて観光客を集めています。
近くのブラックヒルズ化石の森では、石化した木の幹が地面に横たわっています。 (18分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

(L) Mount Rushmore (R) An Indian riding a horse met on the way to Mount Rushmore 1962

木々の葉が淡い黄色に紅葉する中、サウスダコタ州に入る。南西部のカスター国立公園には、ヘラジカ、シカ、
バッファローが沢山生息しており、近くのカスター州立公園に向かう途上、馬に乗ったインデアンに会ったが、
カメラを向けていると、一旦立ち去った後に戻って来て、何か言いたげだったが、無言のまま消え去った。
ブラックヒルズにある標高1745メートルの岩山に掘られたラシュモア山国立記念碑には、四人のアメリカ大統領
の巨大な彫刻が彫られて、家族ずれの人々と高齢の観光客で混雑していた。近くのブラックヒルズ・化石の森
では、石化した木の幹が地面に化石となり横たわっている。化石の採取は禁止されているが、公園外の私有地で
採掘されたものを店で販売している。

この後、西に向かい、ロッキー山脈を横断、有名なイエローストーン国立公園を訪れたが、非常に多くの噴泉が
噴出していて、見る人たちが歓声をあげていた。温泉水で顔を洗って見ましたが、広い高原には、沢山の鳥たちが囀り、
熊や鹿の群れが目前を歩き回り、バファローが巨大な体で、のしのし歩き回っている。黄色の岩石の谷間からは、
大量の水が滝となって流れ落ち、イエローストーン川となり、ノースダコタ州側でミズーリ川に合流する。隣は
険しい山々の連なるグランドテトン国立公園です。

(L)Old Faithful Geyser (M) Minerva Terrace, Mammoth Hot Springs, Yellowstone National Park
(R) Minerva Terrace 前の筆者 1962

8-mm film video : 1962 Yellowstone, Grand Teton National Parks and Devils Tower Monument
2012年には、マンモス・ホット・スプリングの石灰棚の湧き出している水量が極端に減少して干上がりかけていた (43分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用
Yellowstone National Park 2012［参考］

Grand Teton Park in autumn 1962

グランドテトン国立公園では、秋の終わりか、氷交じりの風雨に見舞われました。山の頂上は新雪に覆われて、神々しいまで
美しく聳え立っておりました。

8-mm film video: 1962 Grand Coulee Dam in the Sate of Washington
ワシントン州を流れるコロンビア川に建設されたダム (05分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

Grand Coulee Dam 1962

グランド・クリー・ダムを見学した後、ワシントン州の田舎道を北上し、カナダ側にあるTrans-Canada-Highway、
レブルストーク西側の町に入る。カナダ大陸の山岳地帯を切り開いて新たに建設、横断する道路には、筆者が利用する
直前に、カナダ首相が出席し公式開通したばかりであった。新しく奇麗に舗装された山岳道路を快速に東に向け走行する
醍醐味は、とても得難い特別なものでした。

(L) Trans Canada Highway Route 1、directed to the East (R) Rogers Pass　カナダ横断山岳道路開通の記念碑
On September 3, 1962, Trans-Canada Highway was officially opened at Rogers Pass, by Canadian Prime Minister.

8-mm film video: 1962 Trans-Canada highway car trip from Vancouver to Ottawa
紅葉が輝くロッキー山脈、エドモントン、ウィニペグ、スペリオル湖の国立公園など開通直後のカナダ横断ハイウエイNo.1を記録、
左手で運転、右手で動画撮影(1時間28分)
コダックが発売した極めて初期段階のカラー８ミリフイルムを使用

ロジャーズパスを通り、バンフ国立公園、そして、世界で最も美しい道路の一つ、アイスフィールズパークウェイを
ドライブ、ジャスパー国立公園へ至る。この地点をもって、私の山岳自動車旅行を終了し、丘陵と平原を東に向け
走破する旅行に移る。多くの雌鹿をひきつれた大きな牡鹿、カラ松の木に登って遊んでいた子熊ともお別れです。
山々は秋の終わりから、いよいよ冬の入口まで来ていました。

Lake superior in autumn 1962

サスカチュワン州、マニトバ州、ウイニペグ市を通過し、淡い黄色に色ずいた木々の生い茂るスペリオール湖の北岸に
沿って、カナダの首都、オタワに来ました。ここ議事堂の地域は、あたかもソ連 ( ロシア ) のモスコーを連想させる。
市街地には立派な英国風の建物が林立し、その風格を誇っている。真っ赤な制服を着た番兵と一緒にカメラに収まり、
よい記念写真が出来ました。オタワ川を挟んで、向こう側はケベック州でフランス語を公用語とする州となる。ここで、
オタワで表示されていた英語とフランス語は、フランス語のみに変わります。

Parliament ottawa 1962

8-mm film video: 1962 Ottawa, Montreal, Toronto, and Niagara Falls: Edited in 2024 (12分)
1962 年に記録された 8mm カラー動画です。オタワ、カナダ国会議事堂、カナダフランス語圏社会のビジネスの中心地モントリオール、
そして有名なナイアガラの滝などの 60 年以上前の映像が見られます

Montreal 1962

更に東方に向かい、ケベック州最大の都市、モントリオールに至る。高層ビルが林立していて、経済活動が活発な
ことが分かる。［ラジオ・カナダ］の施設を見学して来ました。英語の放送番組はトロントで制作し、フランス語
の番組はモントリオールで制作するとの話をされたが、見学者は私一人だけでした。私がドクターと話したら、
相手の態度ががらりと変わりました。まだ10月の前半だというのに、モントリオールの寒さが厳しく、カメラの
一部破損のこともあり、今回はケベック州ガスペ地方の旅行は取り止め、セントローレンス川沿いに西南方向に
走行、カナダ第一の都市、オンタリオ湖に面するトロントに入る。ビルの林立するなか、久しぶりの都市喧噪を
味わう。ここは英語圏経済の中心地であり、ストリートカーや、浅い地面下を地下鉄が走っている。

Toronto 1962

Niagara Falls 1962

トロントを後に、オンタリオ湖西端、Burlington Skyway Bridgeを渡って、その先のナイヤガラの滝を訪れた。2年前
にアメリカ側から見た時、迫力に乏しく強く印象に残らなかったが、カナダ側からの眺めは実に素晴らしく、その巨大
さに圧倒される。夜は７色の照明に浮き上がり、大自然の舞台劇そのものでした。車の距離ゲージは、99,999 マイル
(160,934キロ) を越して０マイルとなり、更に 500マイル (805キロ) 以上走っていた。

10月の最後のドライブは、カナダ・米国国境に跨る橋を渡り、一路南下してニューヨーク州経由、ワシントンDC郊外の
最終地点にたどり着くことが出来た。

1961-1962 Planed Travel Course: There was a moderate change in the course of the Canadian border. (あくまでも参考地図)
実際はミネアポリスから西へ行き、氷河公園へ、カルガリーでのスタンピードを見て、バンフ国立公園へ、その後バンクーバー島へ、
大平洋岸を南下した後、アリゾナ州Tucsonをメキシコ国境まで接近し、その後北上し、Yellowstone国立公園、Grand Teton 国立公園
訪問後からワシントン州経由、カナダに再入国し、Trans-Canada Highway を一途、東に向かいモントリオールまで走破したあと、
Gaspe半島のコースを省き、ニューヨーク州経由、終着点、ワシントンDCで帰結したなど、計画と実際のコースは大きく異なりました。

米国の経済発展の黄金時代と言われている1960年代に、その発展ぶりを高速道路をはじめとするハイウェイや
パークウェイを走行し、実感できたことは大きな収穫でした。西部地帯は東部よりも遅れて開発されていました
が、ガソリン代は西部海岸地域で東部のそれよりも10％高く、山岳地帯は20％から30％ほど高価となります。
人情は北部で細やかで、南部で大まかになる傾向があると感じました。

7月の始めにシカゴを出発して以来、16週間に亘る自動車旅行でした。アメリカの大平原を一途西に
突っ走り、幾度となくロッキー山脈を乗り越えて、大平洋岸の荒波を眼下にカリフォルニアの地を
メキシコ国境まで走り、アリゾナの砂漠を北上し、イエローストーン・グランドテトン国立公園を抜けた後、
再び、東に向けカナダの大平原を走り去り、首都オタワ、フレンチケベック地域に至り、米国国境から
南下し、ニューヨーク州を通り、首都ワシントンまでの走破を敢行しました。走行中、命に関わる危ない
場面に何度か遭遇したことはありましたが、事故らしい車の事故もなく、交通違反皆無で、生涯二度と
ない、若いからこそ出来た貴重な体験でした。あの潮しぶきをあげて海面に現れた鯨、白樺の林に広がる
湖から一斉に飛び立った水鳥の群れ、ロッキー山脈の道なき道で遭遇した車のボンネットを飛び越えた
ピューマ、氷河に覆われた山腹を小刻みに歩き去った羊の群れ、車の窓を覗き込む黒熊たち、昼寝していた
私に寄り添って来た鹿、・・・すべての思い出が一度にこみあげてきて、涙がこぼれ落ちてきました。

使用した中古プリモス・ステーションワゴン

日本では当時、為替統制のため日本からの海外への旅行が一切禁止されていた1962年に実施された長期間に及ぶ記録です。今との
違いは、カナダ、米国の地で、全く日本人に会ったことのない人々との交流でもあり、海外の情報も日本には、ほとんど伝わって
いない時代に書き記された独自の旅行記です。走行距離は160,000キロに達している。
なお、旅行中に撮影した動画用8ミリフィルムは、その都度、郵便ポストに投函してコダック社で現像、、シカゴの大学教授秘書の
自宅に送付、保管して頂きました。また、今は亡き両親から車の修理費用の一部を日本から宿泊したモーテル宛に送金していただいた
こともあり、今は故人となった姉夫妻からはカメラ関係の部品などを調達送付して頂きました。本当に感謝の念で一杯です。こうした
支援なしでは今回の旅行は完結出来なかったと思います。本当に有難うございました。
為替管理★の厳しい時代で、１ドル360円の固定相場。当時は渡航が規制されていたため、日本からの海外観光旅行は不可能でした。
そうした特殊環境下で得た貴重な体験を記した記録を本に出版する計画もありましたが、1963年8月、羽田帰国直後の父の死に直面し、
生活の立て直しに精一杯で、実現できませんでした。
★ 1964年4月、海外渡航規制が500ドル(180,000円 )以上の持出禁止の条件下、解禁された。

宮本順伯 1962年10月　20歳代後半記
Copyright (C) 1962 Junhaku Miyamoto, PhD. All right is reserved.

元の画面に戻るためには、ブラウザ左上の（戻る）をクリックの

Daily 1960-1963
Washington Hospital Center US Interstate Highway 1960-　 Cherry blossom festivals Indianapolis Weekend travels
East coast trip New York express train　 New York auto-trip Mackinac Bridge Chicago life Chicago friends
Florida travel 1962 16,000km great trips throughout US and Canada Summer camp Denali National Park

Daily 1972-1974
London University Hospital　 Moosonee London life and Florida trip 1974 Return trip to Tokyo

Daily

90 年の人生を振り返った時、懐かしく思い出されるのは、若かりし頃の思い出である。
一見、常識を越えた発想があり、それを実行するだけの活力があった。特に20歳代は、
見るものすべての感受性が豊かで積極的、高年の世代でのそれとは、とても比較できない。
国内で医師として毎日を、診療に明け暮れする生活を繰り返し、老後に引退するだけの
人生が、満足できるものかを問われた時、答えは見つからない。人生は一度だけのもの。
悔いのない一生でありたい。

Smoke-free Hotel and Travel
世界の鉄道レンタカー航空旅行ホテル喫煙規制情報サイト
Restaurant hotel railway rent-a-car travel airport condominium smoking ban
1962年撮影、2024年に編集済ビデオ動画はここから再生
　　Twitter@worldviewtokyo　Twitter＠smokefreejpn Twitter@criticismjpn