新型コロナウィルス感染症日本に於ける対応 5

感染拡大に伴い、「Go-to-travel」の東京都の取り扱いについて放置された。そもそも菅首相が提案者であり、自民党内では
「Go-to-travel」は感染拡大の原因となるエビデンスがなく、感染拡大とは無関係との考えがあり、崩壊しかねない深刻な医療
事情を目前にして、特に高齢の重症者の増加を対策なくして見過ごすことが出来なくなってきた。12月2日に急遽、小池都知事と
菅首相が会見し意見を交わした結果、異例の「高齢者、持病を持つ人」をキャンペーンから除外することで合意した。中途半端で,
しかも、到底理解不能な措置だった。東京東京発着の「一時的停止」を求めたが、政府側に押し切られ法的拘束力のない「自粛」
するこで決着した。

あまりにも姑息的な手段で新型コロナウイルスの拡大を防止できないことは明らかである。「若い人を対象に入っていないが、
全体的にやらないと感染はますます広がってしまう」との声もある反面、、「ちゃんとした感染対策をとれば控える必要は
ない」と感染の広がりを軽視する声もある。二転三転の政府の方針に旅行会社などは「なぜ自粛なのか」「どうやって持病の
ある人を見分けるのか」と大きな戸惑いを隠せない。

新型コロナウイルスの感染拡大第２波が拡大しているなか、感染者の多い東京都を除外した「Go-to-travel」事業が開始された。
閣議決定で感染が収束したら始める事業と決定していたにも拘わらず強行された。税金を使ってアクセルを踏むとき、人々の
移動が加速されるとともに感染が加速されるのを政府は無視した。

一旦、下火となった10月1日にキャンペーンに東京が加えられた。その後、感染者が増加を続け、北海道では急拡大してしまう。
ただ、国土交通省の官僚は「東京を除外すると経済的な損失が大きい。今回の高齢者、持病のある人に限定した対策は苦肉の策と
述べている。

国内の重症者は493人、7日連続過去最多を更新している。死者は41人、累計 2100人を超える。重傷者は1月5日には168人に増加する
との試算もある。ベットも足りないし、医師、看護師など治療を担う人々も足りず、医療事情は切迫している。

　2020.12.01

国立国際医療研究センター病院の忽那堅志医師は「高齢者は若い人々の会食などから感染が起こっているので、高齢者や基礎疾患の
人の行動を制限しても、こうした方の感染を防ぐことなはならず、むしろ広い層を対象に規制すべきではないかと思う」と述べた。

新型コロナウイルスの感染後にPCR陰性となっても、倦怠感、鬱（うつ）、思考力低下、嗅覚障害、味覚障害などの後遺症が発症から
数か月間、または桑栄上、も続くことがある。こうした後遺症はたとえ軽症でも起こりうるし、半数は30代以下の年齢層に見られる。
絶対に甘く見てはいけない病気である。

11月3日現在、コロナ感染重症者は9人増えて497人、過去最多となった。大分、高知、広島、奈良、岐阜県で過去最大の感染者を
記録している。大阪府では386人の新規感染者を、重症者を136人出し、医療現場は崩壊寸前になつている。東京都は533人、
神奈川県では197人のの新規感染者を出し、知事は危機感を表明、なんとしても感染を食い止めたいと述べている。

家庭内感染の比率が高い。米国CDCも指摘しているように、40歳以下の人々が高齢者所帯を含む家庭内感染を引き起こしている現状が
あり、高齢者の行動を制限しても解決には至らない。

こうしたなか、政府は高齢者、基礎疾患のある人になどに東京発着のGo-to-travel 自粛を促したが、基礎疾患の定義があいまいで
肥満も含めているようだ。本当に泥縄政策としか言いようがない。感染拡大のピークの見えないこの時期に、菅総理は感染防止策を
大前提として事業を（ゴールデンウイークまで）延長する方針を表明した。感染抑止とは全く逆方向の事業を、自分が発案したから
といって意固地になっているようだ。国のトップが道を誤っていながら自覚しないのは情けない。
( Junhaku Miyamoto, PhD )

新型コロナウイルス感染重症者が過去最多の505人に達した。累計感染者数は 159,000人を超えた。大分県、高知県、茨木県で
最も多い感染者を出して感染が都市部から地方へと広がっている。ここ1週間に196人の命が奪われた。死者数は1週間前に比し
80％も増加、年末年始を控え医療現場に危機感が漂っている。東京都内の感染者も着実に増加している。

人の移動や会食がウイルスの拡散をもたらすことは、欧米のメディアが繰り返し報道しているが、菅首相、官僚、自民党員は
「Go-to-travel 」は感染を拡大すると思っていない。あくまでも「言葉だけで」、差し迫った危機感を示し、分科会、知事らの
意見をくみ上げながら対策するとしている。マスク着用、手洗い、3蜜回避の感染予防策のみでこの危機を乗り越えられると
盲信している。結局、「Go-to-travel 」運用の見直しは考えず、2021年6月までの延長を決め、「Go-t-eat」の食事券の追加
発行を決めている。
( Junhaku Miyamoto, PhD )

日本学術会議委員の任命問題については答弁を拒否し続けている。共産党の志位委員長は「前政権を上回る強権、そして冷酷さ」と
述べており、菅首相の性格を言い当てている。

全国の重症者数は11人増えて530人となった。今まで感染者のいなかった北海道の奥尻島で発生したクラスターは53人の感染者を
出し、50人に一人の高率でコロナウイルス感染者を出している。旭川の病院で起こったクラスターは医療崩壊寸前の状況となって
いる。旭川医師会の山下会長は「この先同じようなクラスターが起きると救急医療は完全に停止し心筋梗塞などの治療が出来なく
なり、医療崩壊一歩手前ギリギリをさまよっている状態であると述べている。

病院に入院する際のPCR検査で陰性だった人が院内感染を広げたことも問題視されている。これはコロナウイルスの潜伏期間中は
ウイルス量が少なく、検出されなかった可能性がある。東邦大学館田教授は「たとえ検査が陰性でもコロナ感染の可能性を考えて
必要な感染対策をとることが大事」と述べている。

国内のコロナウイルス感染症による死者41人、45人と増え医療機関の負担を増加させている。家庭内での感染防止は基本的に困難で
あり、家族の一員が外から持ち込んでいることが考えられ、不要不急の外出を避けるなどの行動が求められている。しかし、政府の
旅行促進策は若者たちの警戒心を緩め、週末には渋谷区や港区で増加している。

2020.12.07

東京都の年代別の感染者を表示

外食産業の衰退化は米余り現象を引き起こし、廃業したレストランの中古備品を引き取る業者の活動を促している。菅政権は人の
動きを加速する政策で経済を立て直そうとしているが、先ずコロナウイルス感染を収束させない限り飲食業者やそれを支えている
人たちを助けることにはならない。
( Junhaku Miyamoto, PhD )

重症者が過去最高の 555 人に達した。尾身分科会会長は「今の時期にGo-to-travel を含めて人の動きを止めることは、世界的な
感染対策上の合理的なオプションだと思う」と発言し政府の有効な政策転換を求めた。

がん患者などを含め受診が減ることで早期発見の機会が奪われ死亡者が増えていくと危機感を示す中川教授

全国の新型コロナウイルスの感染者が累計173,000人以上。一日の感染者数は2,969人で過去最高。感染拡大の勢いが止まらない。
東京都の感染者は一日600人を超え、これも過去最高。どこに無症状感染者がいるのか非常に不安と高齢者は述べている。重症者
用のベット、スタッフはひっ迫している。救急患者の半数を断ねばならない病院も出てきた。そうした中、若者はGo-totravel
キャンペーンを利用して旅行を楽しみ、得意げにtwitter で報告している。人の動きの減少がみられない地域がある。京都が
そうだ。その結果、前の週と比べ1.9 倍の人出が記録されている。政府はこうした重大な感染拡大に対し何一つ、有効な政策を
打ち出していない。国民を前に語り掛けるニュージランド首相、ドイツの首相との心の豊かさのかけらさえも感じられない日本の
首相だ。( Junhaku Miyamoto, PhD )

2020.12.10

日本全国の医療従事者がコロナ対応で疲労困憊（こんぱい）している中、菅首相のテレビ出演の態度が批判の的となっている。
ニタニタと薄笑いを浮かべながら、「みなさん、こんにちは。ガースーです」との緊張感ゼロのご挨拶で始まり、「経済が悪くなると
暮らしを守りうことが出来ない」「よくアクセルとブレーキ両方を踏んでいておかしいいと言われますが、Go to-travel の一時停止は
まだ考えていない」と述べ現状を変更しないと、政府分科会の提案を無視した。

ステージⅢの感染拡大地域、大阪、東京では県境を越えた移動自粛、不要不急の外出自粛、飲食店の時間短縮、Go-to-travel の一時
停止を提言した。しかし菅首相は頑なに方針転換を拒否し続けている。ジャーナリストの後藤謙次氏は「菅政権がGo-to-travel の
見直しをしない、限定的制限を加えないということは列車に乗っているのは国民なので行き先不明では頭の中が大混乱する。結果と
して総理が正しいかもしれないが、逆の結果が出たら時すでに遅し」と政府の態度を批判した。

勝負の3週間と言われたが国民は反応せず、ただ感染のみが拡大した

日本全都道府県の感染者数は 179,000 人に近づき重症者は578人と、一日に24 人も増加している。過去に感染者がゼロだった岩手県で
43 人もの新規感染者が出ており、次の都県で過去最多の感染者が報告されている。山形 22人、福島 17人、埼玉 199 人、長野 32 人、
岐阜 55 人、京都 75 人、高知 27 人、そして東京都 621 人である。

2020.12.12

東京都はGo-to-travel の対象から高齢者や基礎疾患のある人は除外されたものの、それ以外の人は対象外で自由に往来できる。しかも
税金をつぎ込んだ優遇がそれを支えている。Go-to-eat で会食を奨励した政策も一時停止した地域はあるものの、生きている。

福島市で忘年会に出席した人たちが２次会も続行、マスクを着けずに会話していたため17人のクラスターが発生、感染対策を行わない
気の緩みのためである。11月の3連休で人の移動が加速された京都では、過去最多の1日75人の感染者が出ている。

新型コロナウイルスの感染者、死者は、一部の国ではかくだいしていないものの、世界全体を見渡すと明らかに増加している

「勝負の3週間」として国民の自覚を促した政府であるが人出を抑制すりることなく、明らかに失敗に終わった。東京駅周辺の人出は
4月の緊急宣言解除後の3.7倍に増加し、北海道などでは医療崩壊に近づいて、さらなる重症者の受け入れが困難な事態に突入した。

国民のコロナ感染への不安感は日々増幅し85％にまで達した。、頑強にGo-to-travel に固執した菅政権への不信感は増幅し、緊急事態
宣言を出すべきとするNHKの世論調査は57％、毎日新聞では67%と、内閣支持率は-17%の40%、不支持は+13%で 49% と感染拡大
抑へ止の政策転換を望む国民が増加してきた。こうした事実に追い込まれて菅首相は予測しなかった全国規模のGo-to-travel 停止へと
舵を急転換した。

小手先の対策に終始していた政府は、こうした国民の声を無視することが出来ず、菅首相は一転政策の大転換をとらざるを得ない
状況に追い込まれ、12月28日からの Go-to-travel を全国一律に中止することを決断した。また、12月27日までの経過措置として
東京都、名古屋市からの出発、目的地としたキャンペーンを利用した旅行を一時停止する処置を講じた。、12月28日から1月11日
までの期間、医療従事者個と飲食店の時間短縮に対し支援金の補助も表明した。立憲民主党福山幹事長は「菅首相のこだわりが全国に
感染を広がったことは明確であり人災と言える、その責任は極めて大きい」と述べた。

小池東京都知事は「小池かるた」を背景に「国の決定はとの方針と軌を一にする。Go-to-travel が全国一斉となったことは大変意味の
あるもの。東京都の停止ということでなく全体で止めて行くということにより効果を上げると期待」「対策の手を緩めることなく
皆様と共に感染拡大を止めて参りましょう」と発言、一方、河村名古屋市長は Go-to-travel をボツにすると感染が少なくなる証拠が
何かあるのか、非常に心外と述べた。以下はGo-to-travel に関連した街の声である。その中には「僕は健康だしお金に困っているわけ
ではないので旅行に行って経済を回す、Go-to-travel 停止で経済が危なくなる」と感染抑止とは反対の行動をとる人もいる。
Go-to-travel 利用で潤ったホテルの副支配人は「やはり」と述べた。政府の一転、二転の政策に振り回されているのは、Go-to-travel
利用予定している人々と旅行社のスタッフだ。

東京都で「高齢者、基礎疾患を持つ人」を Go-to-travel から除外したことは20代、30代の人々に「旅行しても大丈夫」との誤った
メッセージを発してしまった。高齢者よりも多くの若者の無症状感染者がウイルス感染を拡大しているのに、国と東京都は間違った
規制処置を講じたことになる。Go-to-travel にて若者が県境を越えて旅行し会食の機会を増やすことをどうして止めることが出来る
か、感染情報のニュースには疎遠なこの世帯にどう伝えることが出来るのか、順天堂大学大学院堀教授は問いかけている。

2020.12.16

クリスマス前の3週間が「勝負の3週間」と言われていたが、感染者が減るどころかかえって増加していった。政府の呼びかけは国民に
受け入れられなかった。国内の感染者数と死者数は毎週増加を続け政府の思惑は完全に外れた。12月16日には東京の一日当たりの
感染者は678 人、神奈川県で 278 人で過去最多、兵庫県の死者数は8人で過去最多を記録した。

土日祝日の東京から他道府県への人の流出は20代、30代の人々が多く、40代、50代の層が続く。県境をまた移動は自粛期間中は
13％の減少がみられたが大きな変化は認められていない。

菅総理は頑強に「Go-to トラベルで感染拡大の証拠はない」と言い続けていたが、世論調査の「Go-to トラベルは一旦停止すべき」
との声と内閣支持率の低下に強力な見直しを採らざるを得なかった。野党は「勝負の3週間にGo-to トラベルは一旦停止を実行して
いれば年末年始のかき入れどきにあたることもなかった。遅れた決断が、結果として観光、飲食業により大きな打撃を与えた」と
いつも少しづつ対策し、後手後手に回った政府の失策を追求した。

専門家会合脇田座長は「これまで大きな感染のなかった地域でも新たに拡大が見られる。大都市での感染を抑制しないと地方での感染
を抑えることも困難になる」と発言。早稲田大学佐々木教授は「Go-to-travel 事業の停止は自粛よりはインパクトとして大きいと思う」
と、東邦大学の館田教授は「実効生産指数がまだ1 を超えている状況が続いていることは感染者がこれからも増えて行くことを示して
いる危険な数字」と警告している。

民間でのPCR自費検査が次第に普及している。費用は最低1,900円から20,000円台まで様々であるが、全部が同じような精度で結果
が得られるわかではないと東海大学宮地教授は述べているが、結果が陽性となった時の対応が問題であり、届けない事例も17例以上
報告されている。

これから気温が低下してくる北半球では、日本を含め非常に厳しい状況になりつつあることを理解する必要がある。日本の致死率は
決して低いレベルではなく、米国、ロシア、ドイツの致死率に近い。

東京都の新型コロナウイルス感染者が過去最多の822 人出た。前日の678 人を大幅に上回る。年代別では20代が最も多く、30代の
人が続く。年齢別では20代から50代の感染者が大半を占める。家庭内にウイルスを持ち込むケースが最も多い。

2020.12.17

東京都の822 人を筆頭に神奈川県 319人（過去最多）、大阪府の351人（過去最多）が続く。今までほとんど感染者のいなかった
広島県では感染は急拡大し、実効再生産指数は 1.5 倍となって感染力の強さを示している。浜田教授は「大都市圏で流行が広がった
あと、その流行が人の移動に伴い地方の中枢都市に広がってしまう」「そこから今度はその県内にじわじわと拡散して行く」と述べ、
行政の対策と共に住民は不要不急の外出を控えるなど行動を変える必要がある」とコメントしている。

ANNの実施した世論調査で菅内閣支持率が急落し不支持が17%程増えて 39.6% となった。「Go-to-tラベル」の年末からの実施に
対し「もっと早く判断する必要があった」が78%の高さに達した。菅政権が人の移動がウイルス感染を拡大を拡大するとの世界的
常識を否定し続けていたからだ。

東京都の感染者数は毎週確実に増加を続けている。「勝負の3週間」の期間中、人の移動はほとんど変わらず個人の感染対策には限界
が見えてきている。国が躊躇している間にコロナウィルは確実に増殖したわけで菅政権の政治判断は失敗と断定せざるを得ない。
11月24日、「Go-to トラベル」の一時停止により人の往来の抑止が実行された大阪市、札幌市では1日あたりの感染者数はやや
減少したが、東京都の感染者数は右肩上がりの増加曲線を描いている。小池都知事は「年末年始の忘年会、新年会はコロナ感染が
拡大する絶好に機会になる」「家族や周りの人の命、自らの人生を守って頂きたい」と述べた。

日本国内の感染者は長い期間を経て10月29日に100,000 人に達したが、12月20日には短期機関に 200,000 人と倍増した。新型コロナ
ウイルス治療に当たる病院の病床数と医師、看護師などのスタッフが極限に近い状態にひつ迫している。日本医師会は「医療の緊急事態」
を宣言した。日本病院会の相沢会長は「国が先頭に立って移動制限や行動制限を政策として掲げていかがねばだめ」と、国に強い対策を
求めている。いままで感染者の少なかった岡山県、伊原木知事は「今感染しても入院出来るとは限らないところまで追い込まれている」
と強く警告している。

変異種ウイルスを日本国内に入れないための水際作戦が重要で遺伝子の特定を行うことが望ましい。

新型コロナウイルスはすべての大陸で感染拡大している。南極大陸のチリ軍基地で36人がコロナウイルスに感染した。チリ海軍の
船が11月下旬から12月上旬に基地に立ち寄ったのが感染元と言われる。この海軍艦船員には3名のCRP陽性反応が確認されている。
南極内陸部の平均気温はマイナス60°Cでウイルスの活動は活発ではないと想定されるが南極のような文明圏と同じような医療体制
をとれないので仮にウイルスが持ち込まれてしまえば手の打ちようはない。

新型コロナウイルスによってもたらされた失業者は80,000人近い。業種別では製造業、飲食業、小売業、宿泊業へと続く。税収は
57 兆 4千億円、新規国債は 43 兆６千億円と大幅なマイナスとなる。Go-to-トラベルの支援策は6月まで延長される。特措法・・・
罰則規定、営業補償金の制定なども審議される予定である。

コロナの収束如何によって日本経済の再生が左右される

多摩大学大学院田坂名誉教授はリスクコミュニケーションの原則として「仮に政府が有効な“安全確保”の対策を打っていても、
迅速にわかりやすく説得力を持って国民に伝えられない限り国民は安心を感じられない」と指摘。「安全と安心は別。政治は
この２つを同時にやること。コロナについて安心できるメッセージを発信できていない。危機管理の原則としてしっかりした
安心形成できるコミュニケーションを行っていただきたい」と話す。菅首相は９月の就任以来記者会見は２回、いずれも
コロナのためのメッセージではなかった。直近の会見では「国民はマスク着用、手洗い、３密の回避など基本的な感染対策徹
底をお願いしたい」と述べた。しかし分科会・尾身会長はこの会見１週間前に「個人の努力だけで感染拡大の状況を沈静化する
ことは難しい」と述べていた。田坂広志は「首相の会見回数は少ない。政府としての見解が伝わってこず軸がわからないことで
国民が安心感を持てない」という。菅内閣の支持率は９月は支持が62.3％と高かったが、12月には不支持が39.6％で逆転した。
田坂教授は「コミュニケーションの８割は表情、声音、行動など非言語で行われる。リーターの最も重要なのはメッセージ力
だと強調した。

尾身会長の自らの感染症研究者としての見解と菅首相への忖度と、同時に発せられた相反する内容に国民は何を信じていいか戸惑いを隠せない

田坂名誉教授は「経済」と「安全」との委員会の独立性が必要と述べる

政府は常に「この程度の事態で推移するだろうという希望的観測や願望的予測によって中途半端な対策を小出しにする」ことを繰り返している
2020.12.23
(L) 法律では「疑わしきを罰せず」だが、感染防止対策では「疑わしきは罰する」と最悪の事態を想定して対処せねばならない（田崎名誉教授）
(R) 米国のファウチ博士は一貫して自らの立場に沿った意見を公表

東京都内の新規新型コロナ感染者が 12月24日に過去最高の888 人となった。重症者数も12月に入り毎日増加、644 人と過去最高と
なり医療現場をひっ迫させている。もう「お願い」だけでは飲食店等を規制することが難しく、強制措置を法制化した「特別措置法」
が浮上してきている。小池東京都知事は自民党二階幹事長と会談、早期成立を要望した。菅首相は検討を約束したものの、2021年1月
中下旬に検討と、感染拡大への危機感を全く抱いていない。

東京都内の人出はクリスマス、新年を迎え、少しの減少を示していない。もう政府の言うことに耳を貸さない、コロナ感染症の危険性
を軽視している状況である。実効再生産指数も1.0 を上回ったまま感染拡大の勢いは衰えていない。感染は東京などの都市部より地方
へ広がっている。このまま4週間経過した1月中旬には今の 2.1 倍の感染者が出て医療崩壊の危険性を帯びてくる。

日本の首相の発言、方針や態度に人々が失望する中、欧州のリーダーたちの「ことば」が国民の共感を得ている。ニュージーランドでは
2020年9月以降、一人の死者も出していない。

新型コロナウイルスは遺伝子変異を繰り返しており、今や変異種が世界各国から報告されており、英国や南アフリカなどに続いて、
日本のほか、南アフリカやオーストラリア、ドイツ、オランダ、デンマーク、シンガポール、ナイジェリアなどで変異種が確認された。
厚労省は12月25日、英国から航空機で入国した男女5人から感染力の強い新型コロナウイルス変異種が空港検疫で見つかったと発表した。
英国と異なるタイプの変異で、患者から見つかったウイルスのゲノム（全遺伝情報）を詳しく解析すると、変異種は南アフリカで
起きた大規模な流行の後に出現し、都市部から同国南部の2つの州へと広がっていた。日本の空港、港湾などの水際阻止が国内への
感染拡大を防止する唯一の手段だが、更なる検疫強化が必須となる。

予測されていたことだが東京都の新型コロナウイルスの新規感染者が949人に達した。重症者は81 人、いずれも緊急事態宣言解除後
最多の数字である。全国の重症者は10人増えて654人と過去最多となった。年末年始の人出の減少幅は少なく、中途半端な政府の
対応では、果たして感染拡大を阻止できるかどうか全く分からない。

2020.12.25

英国では一日の新規感染者が30,501人にも達している。変異種の感染力は従来のコロナイウルスの1.7 倍もあるとされ、12月7日頃
からは変異種が感染全体の3分の2を占める。

新型コロナウイルスの感染の怖さはCRP検査が陰性となっても、そこに後遺症が残ることである。倦怠感や気分の落ち込みは97%、
86% と高率に認められ、4分の3 の人々が息苦しさを訴えている。調査した378 人の内、「寝たきりに近い状態」を 114 人の人が
回答している。

遂に東京都内の新規感染者数が1,000の大台を大きく超えた。1,337 人である。ある程度予測されたことであるがショックは大きい。

年末になっても都内の人の減少幅は少ない。南アフリカで発生した変異ウイルスが国内でも見つかり、感染経路は多岐にわたる。
全国の新規感染者は 4,515 人と過去最多である。入院しているものは過去最多の2,504 人。濱田教授は「今後このペースでいくと
『感染爆発』にもなりかねない」と危機感を表明する。東京都のほかに、埼玉、千葉、神奈川、岐阜、福岡の県でも過去最多の
新規感染者数を発表している。11月から始まった「第３波」は日ごとに加速して感染を拡大している。日本でも、世界でも、感染の
勢いは収まらず、再び経済にブレーキが強まって来ている。

2020.12.31

日本の感染状況：次の頁へ

　Go-to-イート、Go-to-トラベル（東京、大阪、北海道 )
分科会会長の尾身氏はこう振り返っている。「菅首相と都知事、2人の会談の直後に『65歳以上の高齢者と基礎疾患のある人に利用自粛
を呼びかける』という合意がなされたと聞いた時は、『え？』と言葉を失った。移動に伴って感染を広げているのは、90%が10代から
50代の人、つまり若い人の移動が感染を拡大する要因になっている。さして移動もせず2次感染を起こしてもいない高齢者を止めるのは、
原因と結果を取り違えた選択だった。

https://twitter.com/criticismjpn
PCRには限定的な治療目的検査と広域的社会的目的検査との２種がある
2020年4～6月期の実質GDP年27.8%減　戦後最大の減少率
チャートで見る世界の感染状況
日本人は欧米人と比べて新型コロナウイルス感染者と死者が少ないのか？
　　しかし、東アジア諸国内では死亡率は高い
　　なぜ日本では諸外国に比しPCR検査数が非常に少ないのか？
日本政府は単細胞：ビジネス以外のことは考えられない頭脳
小池都知事主導東京都受動喫煙防止条例

筆者：Junhaku Miyamoto, M.D.,PhD.
画像引用元：NHKニュース、日本経済新聞、朝日新聞ニュース、テレビ朝日モーニングショウ、テレビ朝日報道ステーション、BBC, ABC、CNNなど
日本経済新聞、朝日新聞ニュース、テレビ朝日モーニングショウ、テレビ朝日報道ステーション、BBC, ABC、NHKニュース、東京都の報道内容を基に、
画像、記事を編集記述している

War against coronavirus in Japan The latest Edition新型コロナウィルス感染症の拡大　
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The article was written in March 2020, and revised in Decomber 2020, by Junhaku Miyamoto, M.D., Ph.D.

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